真選組子育て奮闘記。

かいぎ　　noside ページ25

婦人が訪ねてきた日の夜。



真選組では幹部三人で会議が開かれていた。





内容は婦人の来訪の理由。





それを説明すべく近藤が口を開く。






｢今日いらっしゃったご婦人なんだが・・・・









・・・・Aちゃんを、引き取らせてもらえないかとのことだった。」









｢｢！！」」




近藤は眼を伏せ、

事情を知らない二人は動揺をあらわにする。









｢突然ですまない。


あのご婦人は幕府官僚の奥さんでな・・・


子供ができないため、養子を探していたそうなんだ。

そこで松平のとっつあんに話を持ちかけたようなんだが、









…身寄りのない子供といって心あたったのは・・・」









｢Aってことか。」









土方の冷たく冷えた声音。









一気に言いきってしまおうとしていた近藤の言葉を遮る。









｢お偉いさんの奥さんだかには悪いが
俺ァAを渡すつもりはねェ。






…あいつはモノじゃない。









ください、って言われて、はいそうですかなんて
言えるわきゃねーだろ。」









きっぱりという土方。


トシ、と呟いた近藤の声を最後に


さまざまな思いの入り混じった沈黙が訪れる。









その沈黙を破ったのは。









｢・・・・・・俺ァ、向こうの養女にした方がいいと思いやすぜ。」




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