10話 ポケモン図鑑 ページ10
研究所に入ると奥の方でオダマキ博士が私に手招きをしていた。その隣にユウキ君がいて、私は小走りで博士の前へと移動する。
「ユウキから聞いたよ。Aちゃん、すごいじゃないか!初めてのトレーナーとのバトルでユウキに勝つなんて!ユウキはかなり前から研究を手伝っていてトレーナー歴は長いんだよ!」
「いや、そんな……ユウキ君に色々教えてもらいながらだったので」
ちらりとユウキ君の方を見ると、ユウキ君はなんだか面白そうに笑っている。それから口パクで「よかったな」と言われた。そんな様子を見ていると私も少しだけつられるように笑ってしまう。
「うむ。Aちゃんにも研究のために取り寄せたポケモン図鑑をあげよう」
「ポケモン図鑑?」
「ああ。ポケモンを捕まえるとそのポケモンの生息地などが一瞬で分かってしまうハイテクなマシンだよ。これを使って各地のポケモンを調べてきてほしい。大自然の中を生きるポケモンを自分自身の体で感じてくれたらうれしい!それと、たまに図鑑を見せにきてくれたら2倍嬉しいね!」
オダマキ博士の熱弁を聞いて曖昧に頷く。ポケモン図鑑を受け取るとそれを覗き込む様にしながらユウキ君が口を開いた。
「ふーん、Aもポケモン図鑑もらったんだ……。じゃあ、俺からはモンスターボールをあげるよ」
「え、でも……」
「遠慮すんなって。トレーナーになったからにはモンスターボールは必需品だからな」
ユウキ君のバッグから取り出されたモンスターボールを受け取る。ユウキ君は満足げに頷くと私に向かって色々教えてくれた。
「モンスターボールを使うといろんなポケモンが捕まえられるよ。ポケモンを捕まえても一緒に戦ってくれたポケモンは育つ。これ、先輩からの豆知識な」
「そうなんだ……色々有難う」
軽く頭を下げてお礼を言う。それを見て笑うユウキ君は腰のベルトについているモンスターボールに触れた。
「俺もさ、準備したらここを出発するんだ。上手く言えないけどなんだかワクワクする。……お互い、頑張ろうな」
「う、うん!」
その向けられた笑顔に私の笑顔を浮かべて頷いた。私の足元近くではミズゴロウは嬉しそうに私を見上げている。
「あ、お母さんに伝えてこなきゃ……。博士、私はこれで失礼します」
「分かった。気を付けるんだよ」
「はい」
旅に出るということは、ポケモンと一緒に成長するということだと思う。うじうじした私を変えられるチャンスかも……。
78人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2014年11月22日 16時