45話 自分に言い聞かせる ページ45
「まず、ポケモンの使える技を把握してないとさっきみたいに取り乱すでしょ? この機械あげるから使える技を把握して」
「あ……でもこの機械はシオンさんの……そんなすごい機械もらえませんよ」
「いい、また作ってもらうし。……そんなことより自分の事をしっかりして」
シオンさんに押し付けられるようにしてその機械を受け取る。申し訳ないとシオンさんに返そうとしても受け取ってはもらえなかった。シオンさんは淡々と機械の使い方について説明してくれている。私の知識が乏しいだけかもしれないけどこういう機械は見たことがない。やはり貴重品なのだろうか。だとすれば私が貰うのは本当に申し訳ない。
「……カナズミシティではジムリーダーに挑戦するの?」
「はい。お父さんにそうしたほうがいいって言われて……私も、もし勝てたら少しは自信持てるかなって、思ったんです……けど」
「今の君の実力じゃ無理だね。もう少しここで実力を上げてからじゃないと」
「……はい」
本当のことを言っただけの言葉がグサリと刺さる。そんな私を慰めるように足元で跳ねるキノココと、私の足にすり寄るミズゴロウに笑みが零れた。確認のためポチエナを見ても特に変わりはない。
「確かカナズミシティのジムリーダーは岩タイプの使い手だ。ミズゴロウとキノココが相性いいね」
「相性……」
ユウキ君に教わったものだ。バトルを重ねるうちに分かってくる、と言われたので、こればかりはバトルをしていくしかないのだろう。相性はバトルに大きくかかわるものらしいからちゃんと学んでいかなきゃ。
「……バトルのアドバイスしたいんだけど、野生のポケモンと戦ってみてくれる? まずは冷静に戦って見せて。一応何回かバトルはしたんでしょ?」
「は、はい。なんとか」
「ならよかった。頑張って」
小さく笑みを零したシオンさんの言葉に小さく頷く。改めて人の前でバトルをするのは緊張するけれどこれもトレーナーとして力をつけるため。それはきっと自分を変えることに繋がるし、ポチエナに私を認めてもらうことになるはずだ。
そう思いながら草むらに一歩踏み込む。ガサッという音に驚いたジグザグマが草むらから飛び出してきて、それを見たミズゴロウが私の前へと進んで出てきてくれた。一気に緊張感が走る。自分を落ち着けるために小さく深呼吸をしてからミズゴロウの背中を見た。昨日みたいに上手くやれれば平気。落ち着けるために自分に何度もそう言い聞かせた。
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miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2014年11月22日 16時