３９話 唐突なお誘いと強引な進み方 ページ39
「君は？」
「え？」
「君の名前は？」
小さく首を傾げたシオンさんに名前を聞かれてハッとなる。そういえば私名前を名乗っていなかった。
「ご、ごめんなさい……Aです」
「そう……Aね」
そのあとに続く妙な沈黙が痛い。どうやってその場を去ればいいのか分からず必死に考える。シオンさんは少し考え込むと「ねえ」と私に声をかけた。あっけなく破られた沈黙に驚き声を裏返しながら返事をしてしまう。自分の裏返った声を聞いて羞恥を覚える私に対し、特に気にする様子のないシオンさんはつづけた。
「えーっと……なんだっけ、カナズミシティ？ それってどこにある？」
「カナズミシティですか？ えっと確か……この森を抜けた先だと思います。ごめんなさい、引っ越してきたばかりで地理に詳しくなくて」
「そう……通り過ぎちゃったのか。僕も地理には詳しくないんだ。アズサにでも聞いてくればよかったかな」
ぽつりとシオンさんの言葉から出て来た名前に反応する。聞き間違いでなければシオンさんは今アズサさんの名前を呼んだはずだ。アズサさんといえば昨日の夜ポケモンを盗んだ犯人。ポケモンセンター前にいた女性たちの話によると何度もポケモンを盗んだことがある人。
「あ、アズサさんのことを知ってるんですか！？」
食い気味に質問をする私にシオンさんは首をかしげる。眠そうなシオンさんの半目がじっと私を捉え、次に何かを思い出したように「ああ」と声を零した。
「そっか、アズサが言ってた掘り出し物って……うん。分かった。君は今からどこにいくの？」
「え……あ、カナズミシティです」
「そう。じゃあ地理に詳しくない者同士一緒に行こうよ。迷ってもなんとかなりそうだし」
私の質問が軽く流れたことよりも唐突なお誘いに体が固まる。なんて答えればいいのかと瞬きの回数が多くなった私にシオンさんは１人で納得したように頷き、私の手首を引っ張って歩き出した。
---
ー人物紹介３ー
名前 シオン
年齢 １６
性別 男
(ポイント)
・黒髪で中性的な顔立ち。棒付きキャンディーの形をしたピンをしている。白と黒のボーダーの服の上に薄いカーディガン(大きめ)を着ている。肩からかけるバックの中には色々入っている。腕時計をつけているがつけていることを忘れてしまう。
・いつも眠そうで基本的に無気力。意外と甘党。少し忘れっぽい。
・チルタリスモチーフの枕を愛用している。枕は基本的にバッグにしまっている。
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miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ！ｗ (2015年1月28日 21時) (
レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます！ 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが； 更新頑張ります！ (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…！！ (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです！ やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか？ 更新頑張って下さい！ (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです！ 有難うございます！ １番はファイアですか！ｗ オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです！ 有難うございます！ (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miku
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時：2014年11月22日 16時
