検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:75,797 hit

29話 不安と時間 ページ29

海に夕陽が完全に沈むのとほぼ同時で私はポケモンセンターに駆け込んだ。息切れも酷くて途切れ途切れになった言葉を聞くとジョーイさんはキノココの回復をしてくれる。その待ち時間の間近くにあるソファに力なく座った。私と同じように全速力を続けていたミズゴロウとポチエナもなんだか疲れているように見える。


「そうだ、傷……」


 途中で派手に転んで膝をすりむいてしまったんだ。バッグの中には絆創膏や消毒液なんて入っていないからどこかで買ってこなくてはいけない。それでも私がここを離れるわけにはいかないので少しの間我慢しなくてはいけなかった。


(まあ大丈夫かな……私の怪我より今はキノココ、だもんね。この位我慢しなくちゃ)


 キノココの事が心配でこまめにジョーイさんの方を見る。何やら深刻そうな顔をしているのが私の不安を掻き立てた。そわそわしているのは私だけではなくてミズゴロウやポチエナもどこか落ち着かない様子だ。

 ジョーイさんにポケモンを預けて暫く時間がたった。どれくらいかどうかは分からないけどその時間はとても長くて、時間が経つにつれて私の中にある不安がどんどん大きくなっていく。どうか助かりますようにと自分の手と手の指を絡ませた。周りの人に聞こえてしまうのではないかという位大きなドキドキを隠す様に身を縮込める。それからジョーイさんが私のところに来たのはだいぶ後だった。


「もう大丈夫よ」


 その言葉に顔を上げる。ジョーイさんは優しげな笑顔を浮かべながら私にキノココの入ったボールを手渡してくれる。ボールの中には森の中に居た時の様子とは違う、笑顔のキノココがいた。

30話 疲れた→←28話 急いで



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:ポケモンORAS , ユウキ , miku
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/  
作成日時:2014年11月22日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。