3話 悲鳴 ページ3
「博士なら今はフィールドワークに出ていていないんだ」
「そうですか……。分かりました」
失礼しましたと頭を下げて逃げるように研究所から出る。初対面の人と向き合ったり話したりするのは苦手で、小さな声になってしまったり声が裏返ってしまったりしていつも失敗してしまう。意識していても実際に出来るかどうかは別問題だ。
博士はここにいないらしい。あまり気は進まないけど草むらの方に行こう。草むらにさえ入らなければポケモンは出てこないはずだ。風に背中を押されながら町を出ようとすると小さな女の子が困った顔をして私を見る。
「ど、どうしようっ!」
「え?」
いきなり声をかけられて思わず驚きで足を止めてしまう。そんな私の様子なんて気にしていない様子の女の子は私と向こうの方を見ていた。
「あっちから悲鳴が聞こえてくるの!どうすればいいんだろう……」
「悲鳴?」
一体何が起きているのかとそちらへ向かうと、確かに「助けてくれ」という悲鳴が聞こえた。驚いてそっちに走ると、そこにはオダマキ博士がポチエナに追われている図があった。
「きゃっ!?」
驚きの声が出る。それで私に気付いたオダマキ博士は私に対して「助けてくれ」と助けを求めてきた。助けてくれと言われても私はポケモンを持っていないしどうしようもない。誰か助けを呼んで来ようと背を向けた私を博士は呼び止めた。
「待ってくれ!私を助けてくれ!」
「でもっ……私ポケモン持ってなくて」
「そこの鞄にモンスターボールが入っている!それでなんとかしてくれ!」
博士のその声に私は慌てて鞄を開いた。そこには博士の言葉通りモンスターボールが3つ入っていた。
「なんとかって言ったって……私には無理です」
「頼む!もう体力が限界だ!」
「私ポケモンバトルなんてしたことなくて……」
お父さんがジムリーダーを務めている。バトルを何回か見たことはあるけれど自分が指示を出せるとは思えなかった。困惑する私に助けを求める博士。周りから見たらどんな状況なんだろう。
戸惑っている私の斜め前ではもうすでに博士が草むらに追い詰められている。ごちゃごちゃしている場合ではないとボールに視線を落とした時ボールの中のポケモンと目があった。
「あ……」
不思議な感じがした。バトルをしたことない私でも、この子と一緒ならなんとかできそうだと直感的にそう思った。気付いた時には私はそのポケモンのボールを手に取っていた。
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miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2014年11月22日 16時