15話 頑張る努力と不安 ページ15
「ポチエナ、まずは体力回復しよう?ポケセンにいきたいからボールに戻ってくれるかな」
ポチエナのボールを手に持ってそうたずねるとポチエナは少し不満げな顔をした。それでも大人しくボールに戻ってくれるあたり約束は守ってくれるらしい。それにホッとしながらバクバクと煩い胸を押さえつけた。
(怖かった……あのまま噛みつかれなくてよかった……)
今思い出してもぶるりと体が震えた。トレーナーになるってポケモンと向き合うってことだからこういうこともあるんだと思う。それを考えるとこれからのことが心配になってきた。
ポケセンの中に入ってジョーイさんにボールを渡す。2人の体力を回復している間ジョーイさんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「貴女大丈夫?顔色が少し悪いわよ?」
「あ……大丈夫です。ちょっと、トレーナーの自覚が出て来たところで」
苦笑する私を見るとジョーイさんもまた苦笑していた。「頑張ってね」という応援をいただいて私は軽く頭を下げた。ボールを2つ渡されて受け取ると、ボールの中から視線を感じる。ミズゴロウはじっと私を見ていてポチエナは警戒心にあふれた瞳で私を見ていた。
「……仲良くなるのはまだまだ難しそうです」
ぽつりと零れた私の言葉にジョーイさんは一瞬ポカンとしてから「大丈夫よ」と優しい言葉をくれる。顔を上げるとそこには優しげな笑顔を浮かべたジョーイさんがいた。
「時間はかかるかもしれないけど、それでも貴女が必死に仲良くなろうとしているのを見ればそれは伝わるから。分かり合えるはずよ。だってそれがトレーナーだもの」
「……私に出来ると思いますか?」
「ええ!」
その時のジョーイさんの言葉は仕事上の都合だったかもしれないけど、でもなんとなくその笑顔に安心した私がいることは嘘じゃない。
「まあ……私なりに頑張ってみますね」
ジョーイさんが笑顔で頷くのを見て私はジョーイさんに頭を下げた。ボールから送られてくる2つの視線があまりにも違いすぎて苦笑いが零れる。
残り期間は1週間。折角ユウキ君が捕まえてくれたポチエナだ。仲間が増えるのはいいことだし、トレーナーとしてもポケモンと打ち解けられないようじゃ旅なんて到底出来ないだろう。
(とはいっても……やっぱり不安だな)
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miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2014年11月22日 16時