11話 可笑しい、かも ページ11
「お母さんっ!」
「あらA。オダマキ博士には挨拶したの?……って、あら!可愛いポケモンね。オダマキ博士にもらったの?」
私の家に帰るとお母さんは笑顔で迎え入れてくれる。私が抱えるミズゴロウを見るとまた笑顔を浮かべた。
「うん。あのね、博士からポケモン図鑑っていうのももらってね……。それで」
「やっぱりパパの子供ね。ポケモンと一緒に居るのが様になってるわよ」
私の言葉を遮るようにお母さんはそういった。そして、私とミズゴロウの頭を優しくなでる。その表情は優し気で、でも何処かやっぱり寂しそうだった。
「弱気な貴女はいつも自分のポケモンを持とうとしなかったからね。パパが知ったら大喜びするわよ。……でもね、無理はしちゃだめよ。辛くなったりしたらすぐここに帰ってくればいいから」
「お母さん……いいの?」
私はまだ言っていないのにお母さんにはもうバッチリ伝わっているみたいだ。私の旅への一歩を進めるように優しく背中を押す。
「気を付けて行ってらっしゃい」
「……行ってきます」
手を振るお母さんに手を振り返して家を出た。青空に浮かぶ真っ白な雲を見て私は頑張ろうと決意した。
「ミズゴロウ、行こう」
私の言葉にミズゴロウが頷く。博士がポチエナに追いかけられていた場所へ辿りつく。草むらに入ろうとしたとき、後ろから誰かに呼び止められた。
「A!」
「ユウキ君?」
後ろを振り返るとそこにはユウキ君がいた。走ってきたみたいなのに息切れは少しもしてなかった。首をかしげる私にユウキ君は言葉を続ける。
「これ、父さんがさっき渡しそびれたって」
ユウキ君はそういうと、私のポケモンマルチナビをアップデートしてくれる。何かのアプリが追加されているみたいだ。
「今追加したのはポケモンマルチナビのアプリのひとつ、図鑑ナビって言うんだ。それぞれの場所にすんでいるポケモンの情報とかが分かる。ポケモンを集めるのにとっても便利なナビアプリなんだよ」
「そうなの?私機械とか分からなくて……有難う」
アップデートされたポケモンマルチナビを受け取る。ユウキ君はそれだけ言って向こうの草むらを指差した。
「じゃ、俺向こうでポケモン探してくるね。Aもさっき渡したモンスターボール使ってポケモン捕まえてみなよ」
「あ、待って」
走り出そうとするユウキ君を反射的に呼び止めてしまった。……なんだか、今日の私は少し可笑しいかもしれない。
78人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miku(プロフ) - 橘 七美さん» これからどうなるかはまだわかりませんよ!w (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» 有難うございます! 現在明らかになっているのは、シオン君とアズサちゃん、それにリーダーという人物ですね。 デフォルトネームは「ナツミ」にしようかと思っています。まだ決定、というわけではないのですが; 更新頑張ります! (2015年1月28日 21時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
橘 七美 - シオン君、夢主ちゃんとフラグかと思えばアズサちゃんっ子だった…!! (2015年1月27日 12時) (レス) id: 175a080632 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - mikuさん» ファイア格好いいです! やっぱ、シオンさんとアズサさん関わりありましたか。 そう言えば、この夢主ちゃんの名前決まってるんですか? 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 0時) (レス) id: 38fbdd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - yukiさん» お久しぶりです! 有難うございます! 1番はファイアですか!w オリキャラを好きだと言っていただけるとすごく嬉しいです! 有難うございます! (2015年1月26日 20時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2014年11月22日 16時