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34話 一虎side ページ34

一宮Aはいつも場地を見ていた


幼なじみとは言うけれど2人の特別な関係性には誰しもが気付いていて、俺も会ってすぐに気付いた


それでも親にコンプレックスを抱いていた俺は、近い境遇にいたAに親近感を寄せ、密かに惚れていた



でも同時に場地のことが大切だった

自分がAを見ていたから、あいつの視線が場地にあることを嫌でも知ってしまった

場地なら仕方ない、あいつはいい奴だから


そう言い聞かせて俺の恋は呆気なく終わった





「俺からしたら儲けもんだけどなぁ〜
 なんか臭ぇ気がするわ」


「大丈夫だって。こいつは俺のだから」


だから正直、今の状況は何とも言えない複雑な感情が蠢いていた

でも安心感があるのは確かで、自分が肯定されることに少しばかり浮かれていた




「どーすっかなぁ」


黒龍に入っていて六本木も出入りしていた

だから腕は買ってるけどうちに入る理由が分からない



そう言ってジロジロ見る半間くんに、Aははぁっと一息ついた



「一虎がいるから入るって理由にならないの?」


「こっちは東卍潰すって言ってんだ。私情挟まれちゃ困る」


「じゃあ証明として、明日中に東卍の特服着たやつ何人かしめて連れてくる」


「ばはっ。やることえげつねぇな」


「その代わり、こっちも条件を出したい
 私がここに入ったら…東卍関係者は絶対に入れないこと」


黒龍をやめてここまでするんだから条件は絶対だ

そう言って口を開いたAに、半間くんは嬉しそうに笑った



いや何言ってんだこいつ

東卍とはもう縁を切ったも同然なのに、来るわけないだろ


「(来るとしたら…」


あの日の記憶が一瞬フラッシュバックしてすぐさま頭を振る


何考えてんだ俺



「分かった。新しく入る奴はお前に任せる」


「とりあえずAは俺の片腕として働けよ」


「うん」



明日の夜暇だから早く来いよな〜

そう言った半間くんには返事せず、ズカズカと帰るAの顔を覗き込む



「何怒ってんの」


「だって半間嫌いなんだもん」


気味が悪い


そう答えるAはおえっとベロを突き出した

俺も半間くんのことはよく知らねぇけど、利害が一致した以上仲間割れはしないで欲しい


まぁどっちも面倒ごとは嫌いそうだから冷戦って感じかな



「なぁ一個聞いていいもいい?」


「なに?」


「…いやいいや」


今日の晩ごはんを聞こうとして口を閉ざす

なんで東卍関係者は入れるなって言ったんだろ


考えすぎか?

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餃子(プロフ) - 微生物さん» 了解しました!ご指摘は有り難い事なので言って頂けて嬉しかったです(^^)励みになりました!頑張ります! (2022年4月9日 12時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 早めの対応ありがとうございます!設定タグの方も「馬地」になってますので訂正お願いしたいです。何度もご指摘すみませんm(_ _)mこの作品結構好きなので今後も更新頑張って下さい (2022年4月7日 22時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - 微生物さん» うわ本当だ!ご指摘ありがとうございます、すぐになおします! (2022年4月7日 20時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 「馬地」ではなく「場地」ですよ (2022年4月6日 18時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餃子 | 作成日時:2022年2月9日 14時

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