【及川徹】重ねて、忘れて純愛【HQ】 (ページ43)

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「心配って、するに決まってるでしょ」

そう言って私は机の引き出しに隠していた個包装チョコをひとつ及川くんに投げた。
少しの照れと安堵。

及川くんが笑っていてよかった。
笑っていなかったら私はどう対応したらいいのかわからない。

及川くんはチョコをキャッチして、驚いた顔で私を見た。

「ほんと、嬉しいです」

「及川くん、モテるでしょ」

「人並み以上にはモテます」

そうドヤ顔をする彼。
私はふっと笑って、話を終わらせた。

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あれから1週間後、及川くんの手術が行われたらしい。
及川くんから連絡が来ていた。

私はお菓子や果物を持って及川くんのお見舞いに行こうと家を出た。
及川くんの病室につくと妙に緊張する。

「失礼します……、あ」

「Aさん！」

「ちわす」

扉を開けると、そこにはベッドに転がっている及川くんと談笑するため座る岩泉くんがいた。
タイミング最悪だ、どうしよう。

帰ろうか迷ってると、及川くんが私を手招きして、岩泉くんが私の座る椅子を用意してくれる。

「改めまして、岩泉一っす。及川の幼なじみです」

「俺の永遠のエース、岩ちゃんです！」

「AAです」

私は手土産を机の上に置いて、椅子に座る。
聞いていいのかわからないけれど、私は及川くんに声をかけた。

「手術、成功したの？」

「はい、今は鎮痛剤使ってますけどいずれ良くなるらしいです」

「よかった」

安堵のため息をつくと、岩泉くんも少し笑って言った。

「いい先輩もったな」

「岩ちゃんでもあげないよ！」

暖かい雰囲気に私まで安心して、楽しく過ごしてしまった。
就職口見つけないと、なのに。

推薦のような形でいろいろなところから来てはいるが、未だ二択で悩んでいるのだ。

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