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「あ、及川くん、お疲れ」
「お疲れ様です」
講義があったからか私よりも早く研究室に来ていた及川くん。
私は寝過ごしてしまい、お昼前に研究室入りした。
昨日の記憶、あんまりない。
あの人が及川くんのお兄さんだってことや、なんとなく及川くんと話した記憶しかない。
「昨日はごめんね、及川くん」
「いえ、無理に誘ったの俺なんで」
「Aってそんなにお酒弱かったっけ」
「なんでだろう、3杯しか飲んでないけど」
「めちゃくちゃ酔ってましたよ、Aさん」
クスクスと笑う及川くん。
ホワイトボードを独占するくせのある友人が信じられないといった様子で私を見る。
強いと豪語できるほど強くはないけど、弱くはない。
「徹は研究テーマ決めた?」
「まだ、特に決めてないです」
「さっさと決めた方がいいよ、卒論意外と時間かかるから」
そう言って、私の肩にポンと手を置く友人。
及川くんの視線が私に移されれる。
「Aが面倒見てくれるよ、あたしはまだ卒論終わってないから」
「Aさん、終わってるんですか」
「えっ、あぁ、まあ」
この前終わってないみたいなことを言ってしまった手前、後ろめたさを感じる。
及川くんが笑って言った。
「じゃあ、面倒見てください」
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いずみ(プロフ) - とても面白くて、先が気になるお話です! (2019年10月20日 21時) (レス) id: ce54617277 (このIDを非表示/違反報告)
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