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*
覚が真新しい本を、パタンと独特な本の音をたてて閉じる。
そして顔を赤くしながら私を睨む。
「こんな忠実に書かなくたっていいでしょ！」
「リアリティがあっていいと思うんだけどなぁ」
「そうネ！」
そう言って本を私に返し、キッチンに向かっていく覚。
読まないの？と私が聞くと戻ってくる。
そして椅子に座る私の頭を撫で、目を細めて言った。
「結末まで知ってるから」
「そっか」
私は本の表紙をそっと撫でる。
覚がその手を握る。
まだ慣れない覚のスキンシップに肩を震わせる。
「この"日常ロマンティック"なんて題名もクサイと思うヨ」
「いいの」
覚が私の顔を上に向けさせて、そっと自分の唇を重ねた。
柔らかい感触と暖かい体温を感じる。
作家としてデビューし、結構人気だって出てきた私。
作家としてはAAのまま。
私自身としては既に天童A。
覚としばらく見つめ合う、それだけでも胸焼けするほど甘い時間に感じる。
「天童くん」
「なぁに、Aさん」
「……いじわる」
「ああ、もう、可愛い。ごめんネ、A」
そう言って私を抱きしめる。
運命の赤い糸っていうのが本当にあるなら、私達は繋がってたと思う。
来世でも一緒にいると断言はできないけど、自信はある。
私は覚を愛してる。
fin
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時雨 彩(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます！無事完結出来たのも応援してくださった皆様のおかげです。応援ありがとうございました！ (2019年9月26日 21時) (
レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 完結おめでとうございます！楽しく読ませてもらいました。 (2019年9月26日 21時) (レス) id: f2a649a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - エアコンさん» コメントありがとうございます！素敵だなんて言っていただいて嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね！ (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
エアコン(プロフ) - 面白い！素敵な小説ですね〜！ (2019年9月21日 17時) (レス) id: 1a75dc9844 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - ぬーすけさん» コメントありがとうございます！今まで書いていた天童くんの小説とは違い、純粋でなんの駆け引きもない小説が書きたかったんです。これからもよろしくお願いしますね！ (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
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