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「A〜?」

「あ、ごめん!」

「最近ぼーっとしてること多くない? 大丈夫?」


そう言って私の顔を覗き込む友人。
私は笑いながら言う。


「春だからかな?」

「そんなことある?」

「あるよ」


桜がヒラヒラ落ちる中、彼を見つける。
高校1年の時から、ずっと私の目を引いて離さない赤髪の彼。

名前も、部活も、何組かも知らない彼。
知ってるのは学年と顔だけ。


「頭に花びらついてるよ」

「どこ?」


友人が手を伸ばして、私の頭から薄ピンク色の桜の花びらをとる。
私はありがとうと言って笑う。

スクバを抱え、友人と一緒に名簿を見てクラスに入る。
2年生も違うクラスか。

メンツにはなんの不満もないのに、赤髪の彼がいないことが残念に思える。


「委員会決めまーす」


クラス替え後のHRで先生がそう言う。
私は図書委員と決めている。
文芸部の副部長として、というのは建前でただただ本が好きなだけ。

私は図書委員に立候補し、黒板に私の名が書かれるのを見る。
委員会を決めるHRが終われば、委員会の時間。

私立は容赦なく、次の日から授業を突っ込んでくる。
私はスクバを抱えて、足速に図書室に向かった。

クラスごとに決められた席に座る。
私が座る隣の席で頬杖をついてつまらなそうにしている、赤髪の彼がいた。

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時雨 彩(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます!無事完結出来たのも応援してくださった皆様のおかげです。応援ありがとうございました! (2019年9月26日 21時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!楽しく読ませてもらいました。 (2019年9月26日 21時) (レス) id: f2a649a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - エアコンさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて言っていただいて嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
エアコン(プロフ) - 面白い!素敵な小説ですね〜! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 1a75dc9844 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - ぬーすけさん» コメントありがとうございます!今まで書いていた天童くんの小説とは違い、純粋でなんの駆け引きもない小説が書きたかったんです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月21日 17時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨彩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年9月16日 22時

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