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笑顔26個 ページ32

*




「藁江!!」


白布の声が後ろからする。
私が振り返ると、白布は牛島先輩をじっと睨んでいた。


「牛島さん、藁江貰ってもいいですか」

「……ああ」


私の手を掴んで、引っ張った。
人の気配が微塵も感じられない体育館裏。


「藁江、なんで行っちゃったの」

「白布が忙しそうだったから」


白布の目がなんだか怖くて、目を逸らした。
でも白布の目線は私を離さなかった。


「なんで牛島さんと一緒にいたの」

「誘ってくれたから」


1つ、また1つ質問が出る。
質問に答える度に白布が私に近づく。
私も後ずさりをした。

でも後ろはもう体育館の壁。
もう逃げられない。

横には白布の手。
目の前には白布の整った顔。
まつげ長いし、小顔。

女子顔負けの可愛い童顔が、ものすごく怖い顔になっている。


「俺さ、結構独占欲強いの」

「……」

「彼氏でもないから、とやかく言えないけどさ」


そう言ってパッと手を離し、私を解放して離れていった。
その背中を見るのはなんだか嫌だった。

私は白布の背中にぎゅっと抱きついた。
私とたったのl10数センチの差が、こんなに大きいなんて。


「……なに?」

「行かないで、独占していいよ、束縛していいから」

「わがまま」


そうポツン、と白布は言った。


「俺をさんざん頼って、振り回して、拒絶したくせに、今度は行かないでって」

「……ごめん」

「いいよ、そばに居る。もっかい言うよ、俺と付き合って?」


私は声が出ず、こくんと頷きなく事しか出来なかった。

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時雨 彩(プロフ) - 白角さん» コメントありがとうございます。ひとつひとつコメントくださって本当に嬉しいです。ご愛読ありがとうございました! (2020年3月25日 7時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
白角(プロフ) - まずタイトルセンスが素晴らしいな、と思いました笑。面白かったです(読んだ作品にはコメント残したい派なのでスルーしていただいて構いません) (2020年3月25日 0時) (レス) id: b2271dc12b (このIDを非表示/違反報告)
時雨彩(プロフ) - 梅姫美さん» 読んで下さりありがとうございます。ご期待に添えるよう精一杯頑張ります!これからもよろしくお願いします。 (2019年3月14日 16時) (レス) id: 38d231b830 (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - まず1つ!白布くんが好きだから、この作品を楽しみにしてる!!!!お気に入りとかさせてもらいます!!更新頑張って下さい!!! (2019年3月14日 16時) (レス) id: 93ec774767 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨彩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年3月12日 18時

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