【HQ】笑え 、藁江さん！【白布賢二郎】

笑顔23個 ページ28

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「言いたいことって何よ」


下駄箱に入ってた差し出し人不明の手紙。
手紙の内容は

『部活が終わったあと4組の教室で待ってください。言いたいことがあります。』

だった。
部活のあと、私は夏の暑い中1人で教室に残った。

ガラッと教室のドアが乱暴に開いた。
振り返ると、息を切らして立っている白布がいた。


「俺、藁江のこと好きだった、ずっと！」

「うん、私も好きだよ白布のこと」

「俺と、付き合ってください！」


まるで部活の試合の時のように頭を深々と下げる白布。
白布のことは好き。

ずっと一緒にいたい。
でも、できない。


「ごめん」

「……なんで？」

「私ね、父さんのことがどうしても過ぎるの」


白布は頭をあげて、私の目を真剣に見つめた。


「白布のことは大好きなの、でもいつか父さんみたいになるんじゃないかって思うと怖いの」

「俺はあんな……！」

「わかってる、わかってるんだけど、怖いの」

「そっか、うん」


半分諦めたように白布は力なく笑った。
私はそんな白布が愛おしくて仕方がない。


「だからチャンスをちょうだい」

「どういうこと？」

「今度は私から伝えるから、待っててくれない？」

「お前らしいよ」


照れくさくて、嬉しくて、楽しくて、2人とも顔を赤くして大笑いした。

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