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しらす3匹 ページ25

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「母さん、学校までわざわざありがと」

「あんたが捻挫するなんてもう慣れっこよ」

「別に練習はするけど少しでも足を休ませたくて」

「わかってるわよ、勉強も部活も頑張ってるからね」


部活が終わり、母さんに電話して迎えに来てもらった。
部活で捻挫してしまったからだ。

通っていく車道の風景を何気なく見ていた。
大通りに出た時、信号に捕まった。

その時に隣にいた車。
傍から見りゃ普通の車だろう。

でも俺にとっては普通じゃない。
藁江が乗っていた。
しかもそれを運転しているのは、藁江の親父だった。

藁江の様子は普通じゃない。
意を決して、俺は母さんにお願いした。


「母さん、隣の黒い車を追いかけて」

「なんで? 嫌よそんな人様の……」

「いいから!」

「だから」

「理由はあとで話す! 全部俺が責任とるから!!」


俺は必死に母さんに言った。
何かを感じたのか、感じてないのか、少し不服そうだが藁江が乗った車を追いかけてくれることになった。

前を走る黒い車のナンバープレートを携帯で写真に撮った。
驚くほど冷静だ。

相手は40程度のおっさん、俺は捻挫しているとはいえテーピングはガチガチだし、17の運動部男子。

大丈夫だ、警察もあとで呼ぶし。
藁江を人質にとられたら?
藁江が傷つけられてたら?

藁江が泣いていたら?


「止まった……、母さん俺行ってくるから警察呼んどいて」

「……わかった、絶対無理するんじゃないよ」


俺はズキンと痛む足を無視して、車を降りた。

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時雨 彩(プロフ) - 白角さん» コメントありがとうございます。ひとつひとつコメントくださって本当に嬉しいです。ご愛読ありがとうございました! (2020年3月25日 7時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
白角(プロフ) - まずタイトルセンスが素晴らしいな、と思いました笑。面白かったです(読んだ作品にはコメント残したい派なのでスルーしていただいて構いません) (2020年3月25日 0時) (レス) id: b2271dc12b (このIDを非表示/違反報告)
時雨彩(プロフ) - 梅姫美さん» 読んで下さりありがとうございます。ご期待に添えるよう精一杯頑張ります!これからもよろしくお願いします。 (2019年3月14日 16時) (レス) id: 38d231b830 (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - まず1つ!白布くんが好きだから、この作品を楽しみにしてる!!!!お気に入りとかさせてもらいます!!更新頑張って下さい!!! (2019年3月14日 16時) (レス) id: 93ec774767 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨彩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年3月12日 18時

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