四拾伍 ページ45
side me
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「お付き合い、おめでとうございます」
厭だ、今、何でそのことを
「末広さんと、お付き合いなさったそうですね」
追い打ちをかけるように、優し気な声が身体を刺す
「ちが......う」
はい、そうですね、と愛想笑いをしながら云う台本を無視して、口が言葉を吐く
また、涙が溢れてくる
何に対して泣いているのかもわからない涙が落ちる
「違う、とは」
条野さんが首を傾げる
私は――――――――――――――
あれだけ憎悪を抱いたのに、心は条野さんに傾いていく
何で、何で、突き放しておいて
「条野さんが.......好きです.....」
呟きみたいな小さな声が零れる
「末広さんに言ったのは、苛立った感情が条野さんから距離を置くために..しただけ.....で」
本当は
自分勝手な自分に腹が立ってくる
顔を上げ、涙を拭うと、条野さんを見据える
「条野さんが、好きです」
厭と云っておいて、嫌いと云っておいて
刹那、ふわりと抱きしめられる
「詫びきれない程、貴方に辛い思いをさせましたね」
何時になく優しい声が聞こえる
「改めて身勝手だと、貴方の言葉で気づかされました」
ぎゅ、と抱きしめる力が強くなる
「..........こんな不格好で失礼ですが」
どこか切なげな声音で条野さんが云う
「私は貴方を、愛していますよ」
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物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。
条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。
(2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬゐ。 | 作成日時:2018年8月16日 11時