参拾弐 ページ32
side A
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不意に、条野さんが私を呼ぶ
「前を見て歩きなさい、不注意ですよ」
「あ・・、すみません・・ッ」
厭だなぁ、一生目的地に着かなければいいのに
そしたら、御咎めを受けなくて済むから―――――――――――
でも、一寸期待してもいいかもしれない
もしかしたら、
もしかしたら、善い方なのかもしれない
「あ、の・・条野さん、仕事後の事なんですけれど、其れって御咎め・・だったり・・」
「は?御咎めな訳無いでしょう?良い方かも私には判りませんが。まぁ良い方でしょう」
 ̄良い方でしょう
その一言に、体が熱くなる
良かった
朗報だ、此れは
そうしてまただらだら考えているうちに、本部へ着いたのだった
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「では、お疲れ様でした――――――――――――――」
条野さんがそう締めくくって皆それぞれ本部を出て行く
私はというと、少し離れて条野さんの後をついて行く
一体、何なのだろう
悲報、御咎めとかなら溢れんばかり想像ができるのに
朗報となると、想像がつかない
外へ出て、軍警本部の裏にある芝生の公園に出る
シロツメクサや、所何処にクローバーや、花壇に綺麗な花々が植えられている広場だ
ベンチもぽつぽつと在り、軍警内のカップルが休憩がてら此処に来るという穴場でもある
良いなぁ、カップルか
私も、条野さんと、恋人同士で―――――――――――――――――――
「..........何考えてんだ私ぃ・・・」
「何か云いました?まぁ腰かけてください」
条野さんがベンチに腰掛けながら云う
「ととととと隣ですか!?」
「隣以外何処に座るんです、目の前にベンチは在りませんよ」
クス、と笑う
わ、久しぶりに見たよ、条野さんが私で笑う所
私はおずおずと隣に腰かける
と云っても間に二人座れるくらいの距離を開けて
一体、何を云われるのだろうか
大丈夫、御咎めじゃないって云われたから
「Aさん」
不意に、条野さんが口を開いた
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物理的 - リクエストです。猟犬メンバーが皆で、お正月を過ごす話を作って欲しいです。 (2018年12月28日 20時) (レス) id: 315b9d08b1 (このIDを非表示/違反報告)
花弁 - リクエスト(ネタ提供)しても良いですか。
条野さんと夢主で祝言を挙げて下さい。
(2018年8月24日 13時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬゐ。 | 作成日時:2018年8月16日 11時