叶わないはずの恋 Ninomiya (ページ40)

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40 杯条威（和side）ページ40

和「…もしもし」

翔「櫻井です。

近くまで来てんだけど…どうした？」

一言目で俺の変化に気付くあたり、さすがだなと思う

こういう時隠しても無駄だってわかってるから正直に話す

和「Aが、共演者と何かあったみたいで…」

翔「…今近くだから行っていい？

話しておきたいことがある」

和「はい」

電話が切れて改めてAを見る

涙の跡を残して俺にしがみついて眠ってる

和「駄目だな俺は…

兄貴としても彼氏としても」

結局今の俺では一人でAを守れない

涙の跡を拭って、やるせない気持ちを胸の奥にしまった

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…

インターホンがなり、Aを起こさないように離れ玄関に行く

翔「おう、Aちゃんは？」

和「…泣きつかれて寝てます」

俺は眠っているAの傍に座り毛布を掛けなおした

翔さんはクッションに腰を下ろした

翔「本当に大事なんだな、Aちゃんのこと」

和「そりゃもう、何よりも」

俺の言葉にふはっと笑ってから

翔さんは話し始めた

翔「俺と威は幼馴染なんだよ」

翔さんと杯条は一緒にジャニーズのオーディションを受けて翔さんが一人受かったこと

杯条の家はもの凄い経済力があること

そして

共演した女優を一人残さず手に掛けたこと…

翔「だから、気をつけていた方がいいよ

何かあったら俺も力になるから」

和「うん…

よろしくお願いします」

俺の隣で眠るAを起こさないようにゆっくり頭を撫でた

それぞれの仕事場にはなるべく顔を出さないようにと言われているから俺一人では限界がある

大人になるまではみんなの協力に甘えさせてもらおう