39 恋人として（和side） ページ39
今日は仕事が早く終わって9時半に家に帰ることができた
Aはまだ帰ってなくてソファーでゲームをしていた
10時を回ったころ玄関の開く音がして、ゲームを止めてAを出迎えに行く
あ「ただいま」
和「お帰り、お疲れ様」
原「はい、これ今日の荷物、じゃあね」
和「ありがとうございます、お気をつけて」
Aを送ってくれた原田さんは、俺に一つ目配せをして帰っていった
原田さんを見送ったAは無言で横を通り過ぎようとする
和「待って」
咄嗟にAの腕を掴むとAがビクッっと震えた
その様子に極度の怯えを感じて…
和「なんかあった？」
聞いてはいけないと思いつつも、聞かずにはいられなかった
するとAは震えながら、俺にしがみついてきた
話し終わって寝てしまったA…
和「話してくれてありがとう…」
本来なら話したくないだろうことを話してくれたAにそっとキスをする
親が離婚して2年
兄妹じゃないと告白して2年
想いが通じ合って2年
この2年間、前と変わらず接してくれたAは、俺の中でなくてはならない存在になっている
今はまだ世間に俺たちの関係が知られてしまうことは避けなきゃならない
だから…
Aが苦しんでいるときは俺が助けてやらないと
獲物を見つけたような目だったとAは怯えてる
俺たちのことを調べようとしてるのか…？
そこまで考えてふと俺の携帯がなりだした
ディスプレイには
櫻井翔
応答ボタンを押して電話に出た
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作者名：にのもと | 作成日時：2021年1月16日 1時
