【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ9)

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呼び出しページ9

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菊田「狙撃銃だと接近戦に強い藤見には荷物になるだろう。
そう考えると懐にしまえる拳銃の方が良いと俺は思うんだがなぁ」

尾形「確かに藤見が得意とするのは素早さを生かした接近戦ですが、それだからこそ攻撃範囲を広める為に狙撃の腕を上げるのを私はお勧めしますね。」

『あの…私の戦闘を考えて意見は有り難いのですが…どちらも習えば良いだけなのでは？』

おそらく、二人とも自分の好きな物、得意な事をお勧めしたいのだろうとは分かる。
だからこそ、「両方を習えば良いのに…」と思ってそう声にするとお二人は私を見下ろしてため息を吐いた。

拳銃も狙撃も二人に初めて教わった時、撃鉄を引く事さえ知らずに引き金を引いて発砲出来なかった時二人の目が点になっていた事を思い出した。

銃には詳しくない私だけど二人が教えてくれる事に対してとても嬉しいと思えた。

鯉登「む、藤見ココに居たか！鶴見中尉がお呼びだ！」

『鯉登少尉殿！了解しました！
菊田特務曹長殿、尾形上等兵殿、鶴見中尉殿に呼ばれましたのでお先に失礼します。
本日もご指導ご鞭撻(べんたつ)の程ありがとうございました。』

鯉登少尉に呼ばれ、私は二人に頭を下げて訓練場を後にした。

そして、鯉登少尉に連れられて鶴見中尉の元へと案内された。

『お待たせして申し訳ありません。』

鶴見「いや、問題無い。
呼び出したのは他でも無い。藤見 A、君の今後の行動に就てだ。」

『行動、ですか？』

鶴見中尉の言葉に目を瞬かせ小首を傾げた。

鶴見「うん、今後は尾形上等兵と共に行動する様に」

『尾形上等兵殿と…了解致しました！』

鶴見「…理由は聞かないのか？」

私が二つ返事で了承した事に鶴見中尉は少し目を細めるとそう訊ねた。

『鶴見中尉殿のお考えあってのご指示だと私は考えております。
ですので、特に疑問や不満はありません。』

鶴見「そうかそうか。
では、尾形上等兵と共に行動した後は必ず報告を忘れずに行う様に」

『はい！了解致しました。』

にこにこと目を細めて微笑む鶴見中尉の声色は優しい物だった。
ただ、「報告」と言う時少しだけ声色が低くなった気がした。

……私は鶴見中尉が苦手だ。

あの戦場で助けてくれた事に感謝はしているが、それと同時に鶴見中尉には恐怖を感じている。

腹の中に黒い何かを隠しているのは確信していた。

私は笑顔で鶴見中尉に返答して、部屋を出たのだった。

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