【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ6)

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第七師団ページ6

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『…私の身の上話を長らく聞いて頂きありがとうございました。
鶴見中尉殿は生きる気力が無くなった私に生きる意味を与えて下さいました。
私は今後、鶴見中尉殿の駒として死んだとしても本望です。』

鶴見「駒だなんて、私は思った事も無いさ。
今後の活躍に期待しているよ。」

『はい、失礼します。』

朗らかな笑顔を二人して浮かべながら私は鶴見中尉の前から下がった。

宇佐美「へぇ…お礼参りねぇ。なかなか思い切った事するんだぁ。」

隣の部屋に入ると話を聞いていた第七師団の一人、宇佐美時重がニヤニヤと笑みを浮かべながらネチネチと絡んで来た。

『…あﾞ？嫌いな奴に嫌な事されて仕返ししない奴なんていんのかよ？』

宇佐美「鶴見中尉の前だけ可愛く猫被りやがって…」

『鶴見中尉殿の前だけ…？
鶴見中尉殿は私の事気にかけて下さるし、男だらけの軍に私が身を置く事を案じて下さる、そんな人に丁寧な態度を取るのは当たり前では？
それに比べて…お前に対して丁寧な言葉遣いと態度しても意味ねぇと思ってるだけだよ。
初対面でいきなりかましてくれたお前に丁寧な態度取りたいと思うか？あﾞ？』

早口で捲し立てては嫌悪感に満ちた顔で宇佐美上等兵を一瞥して、私は空いてる席に座った。

月島「…藤見A、言葉遣いは常に丁寧である方がよろしいかと…」

『はい、申し訳ありませんでした。月島軍曹殿、以後気を付けます。』

宇佐美上等兵から月島軍曹へと視線を変えれば表情も自然と笑みを浮かべていた。

月島軍曹は私が第七師団に入って直ぐに鶴見中尉から私の教育係になるように言われて今では、先生と生徒の関係のようになっている。

宇佐美上等兵とは雲泥の差での好感度が違う。

『あ！そうだ！谷垣一等卒殿！！』

谷垣「え、俺？！…何ですか？」

唐突に私が名を呼んだ事に驚きと困惑した表情を浮かべながら谷垣一等卒は尋ねてきた。

『実は、先程谷垣一等卒殿の話を聞いた時に私もかね餅を食べてみたいと思いまして…よろしければ作り方を教えて頂きたく思います！』

谷垣「ああ、そんな事なら鶴見中尉殿に作るかね餅を一緒に作りますか？
その時に藤見さん用に少し分けますよ」

『良いのですか！？ありがとうございます！』

目を輝かせてお礼を述べる私の姿はまるで嬉しさで尻尾をぶんぶん振る犬、あるいは喉を盛大にゴロゴロと鳴らす猫に見えていただろう。

そんな私を谷垣一等卒は優しい眼差しで見ていた。

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