【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ48)

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第七師団での日常２ページ48

【風呂】

風呂場は全兵士共通の場だ。
しかし、男と女が一緒に入れば問題が起こるのも確かなのでAが風呂場を使用する際は月島、宇佐美、尾形が交代で見張りをする事になっていた。

『…月島軍曹殿、申し訳ありません。直ぐに出て来ます。』

月島「待ちなさい。」

『何でしょうか？』

月島「以前、宇佐美上等兵の報告で烏の行水かと思う程一瞬で上がって来たと聞きました。」

『はい。』

月島「今日からは１００を数え終わるまで湯に浸かるようにして下さい。」

『ですが、それだと…』

月島「見張りは待つ為にいるのです。
それに…身綺麗にするのは礼儀です。礼節を重んじるのであれば身体はしっかりと洗い、身体の芯まで湯で温まりなさい。」

『はい、了解致しました。』

月島「それと、聞こえるように数を数えるように…ちゃんと聞いてますからね。」

『了解致しました！』

月島に説教をされ、Aはピシッと敬礼をして風呂場へと急いで向かった。

身体を洗い終わり、湯船に浸かり数を数え始める。

『１…２…３…チィトゥイリ…ピャーチ…シャスチ…seven…eight…nine…ディス…オンズ…ドゥーズ…シーサン…シースー…シーゥウ……』

一から順に数え、最後の

『……１００…よし』

１００を言い終えると湯船から上がり、身体を拭き服を着てAは風呂場から出た。

『お待たせしました』

月島「いえ、私が言ったことですので」

Aが出て来たのを月島は確認するとAを部屋まで送る為に歩き始める。

月島「……色んな言葉を知ってるんですね。」

『…お父さまの仕事を手伝えればと覚えました。
もう、意味は無いですけど……』

数えている言葉が様々だった事が少し気になった月島がAに声をかけた。

月島の言葉に今は亡き父親を思い出してAの表情が少し暗くなった。

月島「ディス、オンズ、ドゥーズは何処の言葉ですか？」

『！ …フランスです。ディスが１０、オンズが１１、ドゥーズが１２です。」

月島「シーサン、シースー、シーゥウは中国ですか？」

『はい、そうです。ご存知なんですか？』

月島「いえ、響きがそうなのか、と思ったので」

話を振った手前、相手が悲しそうな顔をしたので話を逸さなければと話を振る。月島が質問した事に驚きながらも嬉しそうに答えるAを見て月島は内心ホッと安堵したのだった。

それ以降、宇佐美、尾形が見張りの時もAは１００まで数を数えている。

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