【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ44)

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剥製所ページ44

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パチンッとウインクを投げかける白石由竹に冷たい眼差しを送り、にっこりと微笑みながら言った私の言葉に「遠慮します」と冷や汗をかいている。

白石「あ、牛山から土方の孫って聞いたんだけどそれホント？」

『…本当ですが、何か？』

コソッと耳打ちしてくる白石由竹に冷たい視線を向けながら返事をする。

白石「いや、網走監獄にいた時土方絡みであんま良くない噂を聞いたからさ。
Aちゃんも気を付けた方が良いんじゃないかなぁって」

ヘラリと笑いながら言う白石由竹の言葉にドクンッと嫌な予感がした。

『……お祖父様に関する良くない噂って何ですか？』

白石「あ〜…女の子が聞いても気持ちの良い話じゃないけど…」

自分から話を振っておきながらもごもごと口籠る様に私ははっきりとした口調で促した。

『構いません。話して下さい。』

白石「…実は＿＿＿…」

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剥製所に着くと尾形さんが得た情報を話してくれた。

尾形さんの話をまとめると、剥製屋の男は坑道で死を確認し、月島軍曹の死は確認出来ていない。
この剥製所で鶴見中尉は偽の刺青人皮を依頼したとの事。

月島軍曹が生きているのであれば鶴見中尉に偽の刺青人皮を渡し、金塊争奪戦は混乱すると言う事だった。

私の嫌な予感が当たってしまった。

土方「この忘れ物がどっちなのか…判別する方法を探さねば」

猫を抱えたお祖父様が刺青人皮を持って部屋に入って来た。

牛山「…ニオイで分からんのか？」

『…囚人全員のニオイを私が知っていればの話ですね。
私は犬や狼程鼻が効くわけではありません。あまり宛にしない方が宜しいかと…』

私の近くに来て耳打ちする牛山殿に少し身構えてしまったが、牛山殿は気にしていない様子だった。

偽の刺青人皮に関する話をしている最中、私は白石由竹から聞いた「網走監獄の噂」で頭が一杯だった。

「君菊って女を土方と奪い合って勝ち取ったって豪語するじいさんがいたんだよ。まぁ、これくらいなら単なる色恋話で終わるんだけど…
そのじいさんの話が支離滅裂でさ、遊女だった君菊を嫁にした、までは分かるんだけどその後に…君菊の初めての男は自分だって言い張るんだよ。遊女の初めてとかだと金持ちが大金叩いて買うのが当たり前で、聞いてたら君菊と初めて会ったのは天神の時だって…なら初めてなんて夢の話だろ？」

そう言った白石由竹の話に私は何故か冷や汗が止まらなくなった。

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