【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ43)

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安堵ページ43

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私達の会話を周りの男性達は目を泳がせながら聞いていたようで、思わずため息が溢れた。

『…貴女の周りの男性はどうやら下品な方が多いようなので気を付けて下さい。』

「そうなのか？分かった！」

良い笑顔を見せる女の子に対して、私が冷めた視線を送ると男性方は引き攣った笑顔を貼り付けて冷や汗を流していた。

杉元「な、何でアンタ等こんな所に居たんだ？
その女は確か第七師団の鶴見中尉の横にいた…不死身さんだっけ？」
『藤見Aです。藤の花を見ると書いての藤見です。』

不死身の杉元が話を逸らすように牛山殿にそう声をかけたが、自分の名前を間違われて咄嗟にそう返していた。

牛山「ははは、連れと夕張に来ていたがふらっといなくなってな。
探していたらお前等がトロッコに乗ってるのを見付けたんだ。」

私の反応が面白かったのか牛山殿は笑いながらそう返答した。

杉元「連れ？」

尾形「しょうがねえ。そいつ等連れて来い。」

そんな時、背後から尾形さんが煤まみれでいつもの調子で現れ私は驚きと安堵で胸が苦しくなった。

『尾形さん……生きてる…良かったぁ』

尾形「ハッ、そんなに俺が心配かよ。」

『はい、心配です。尾形さんがいなくなったら…私ｯ』

目の前で笑う尾形さんの言葉に思わず涙がポロッと溢れ落ちた。

『す、すみません…行く所があるんですよね？行きましょう』

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尾形さんが向かっているのはどうやら「江渡貝剥製所」と言う例の剥製屋らしい。

その建物までの途中に私はアイヌの女の子、アシㇼパと話して仲良くなった。年も私の二つ下で近い、笑顔で「よろしくな！」と言われて悪い気はしなかった。

その話をこっそり聞いていた尾形さんが…

尾形「は、お前そんなにガキだったのか？」

『尾形さん？私そんなに老け顔でしょうか？泣きますよ？泣いちゃいますよ？
さっき私が泣いた時慌ててたの見逃してませんよ？』

思わず泣いてしまった私にどう対処すれば良いか分からず慌てた様子の尾形さんを私は見逃さなかった。その事を小声で言うと目を逸らして「うるせえ」と言われて早歩きで先に進んで行く姿に思わずクスッと笑ってしまった。

尾形さんが私から離れたのを見計らってか、白石由竹が私の横にすすっと近寄って来た。

白石「俺今彼女募集中、惚れた子には一途で情熱的だよ。どう？」

『…そんなに情熱的でしたら、剣の稽古に付き合って頂けますか？』

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