【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ23)

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すれ違いページ23

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鶴見中尉が出向いてから直ぐに建物に火が放たれ私含めた兵総出で刺青人皮の捜索と消火に勤めたが、火の回りが早く大部分が火に飲まれていた。

そんな中手ぶらで戻って来た鶴見中尉に私はどうなったのか事の顛末を聞くのを躊躇った。

もしも、恩人が死んだのであれば私はどうすれば良い…？

鶴見「…杉元一味に刺青を集めさせた方が効率が良いな。
奴等の方が一枚上手だ。」

その言葉に私は安堵した。
不死身の杉元の生存に安堵し、同時に不安が募った。

いずれは不死身の杉元殿も鶴見中尉殿は殺す。その時、私は……

私自身、金塊が誰に渡ろうと構わなかった。
けど、この争奪戦の中で私が一番優先したい事が絡むとなれば…

ーーーーー

本日の小樽の街は騒がしかった。
朝から怪しい人物の通報と小競り合いが起こっていた。

鶴見「藤見、屋根を走る事は可能か？」

『特に問題ありません。』

鶴見「ならば、怪しい人物を見かければ屋根の上から直ぐに伝える様に
あと、軍帽を目深に被っておきなさい。一般市民の中には女が軍に属している事に良く思わない人もいるだろうからな。」

『了解致しました。』

鶴見中尉の命を受け、私は軍帽を深く被り直してから屋根に上がった。

「何か、藤見って物語に出てくる忍者みたいだよな。」

「忍者って実在したんだな。」

他の兵士がそんな話をしていたが無視した。

耳を澄まして街の音に集中する。

『……女郎屋の方角が少し騒がしいです。』

鶴見「そこは多くの人が行き交うからな。」

『ぁ…女郎屋の方角から数名…二人が二階堂一等卒殿の少数隊に接触しました。
その周りに怪し気な人影が数名潜んでます。』

鶴見「宜しい。これより二階堂一等卒の隊と合流する！
藤見は屋根伝いに向かってくれ。必要であれば応戦しろ」

「｢｢｢｢はい！！｣｣｣｣」

『了解致しました。』

鶴見中尉の指示に敬礼と返事を返して、屋根伝いに現場へと向かう最中に爆発音が響いた。
その後に銃撃の応戦が聞こえ、私は急いだ。

『加勢します！』

「頼む！」

背広の大柄な男が兵士の後ろに転がっており、坊主頭の男が悲鳴を上げながら地面に這いつくばっていた。
銃剣を手に拳銃の弾が飛び交う合間に飛び出した後ろから馬の蹄の音が聞こえた。

「何でアンタがここにいるんだ！？勝手に兵隊とおっぱじめやがって！牛山は例の女郎屋の前で待機する手筈だろ」

そんな声が聞こえたが銃弾の中振り返れなかった。

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