【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ20)

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見張りの女ページ20

杉元side

男の様に頭を丸めた女の姿に驚いた。
それと同時にあの時川に落ちた女の子と同じ顔に驚いた。

何故髪が短く？もしかしてあの時頭に怪我を？

そんな事が頭の中でぐるぐる回る。

綺麗な顔に不釣り合いな短髪に申し訳なく思い思わず黙り込んでいた。

そうこうしている内に拘留するための部屋に押し込められた。

「そ、それでは、我々は扉の前で見張ってますので安心して下さい！」

『はい、ありがとうございます』

この兵士はあからさまに下心ありきで俺を連行するのを手伝ったんだろうな。そう言う顔してたし。パタン、と閉められた扉から女の子がこっちに振り返り、近づいて来る。

『不死身の杉元殿、私は貴方に問いたい。』

杉元「…は？何…？」

少しの笑みを浮かべた女の子に思わず不機嫌な声で返してしまった。

『貴方は惚れた女がいると言ってました。
その女と貴方のどちらかが死ななければならない状況下なら貴方は…その女の為なら死ぬ事も厭いとわないのですか？』

杉元「…何言ってんだか…」

突然の問いに意味が分からず顔を顰めた。

『私は真剣に聞いています。もし、もしも……そんな状況下に遭ったならば…貴方はその女の手を取り、自らの首に刃を刺しますか？』

真剣な面持ちで今にも泣きそうな顔だった。

杉元「…何でそんな事聞くんだ？」

『…私は知りたいんです。
愛していれば、その人の為に自分の命を犠牲にしてまで生かしたいかを………もし、それでも生かしたいと言うのであれば、生かされた者はどうしたら良いですか？』

ポタリ、女の子の頬から涙が伝い落ちる。
泣きそうな顔が、泣き顔に変わっていた。

『私は……どうしたら良いですか？』

杉元「アンタ……」

まるで懇願するように、懺悔するように訊ねる女の子の姿がまるで泣きじゃくる幼子の様に見えた気がした。

そんな時、扉の外が騒がしくなって、女の子は涙を袖口で拭うと平静を装い扉の外に声をかけた。

『どうかしましたか？』

「えっと、その…」

「良いから部屋に入れろ」

扉の外から聞こえた二つの声にさっきの双子が来たのだと分かった。
扉が開き双子が顔を覗かせた。

『二階堂一等卒殿！彼を見張る様にと鶴見中尉殿から命を受けているのは私です！お引き取り下さい！』

「うるさいな。…お前はそこでじっとしてろ＿＿＿＿。」

『ｯｯ…！？』

入って来た双子の片割れが女の子に何か言った瞬間女の子の顔が強張った。

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