【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ16)

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小樽ページ16

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『確かめる…ですが、私もハッキリと思い出せた訳ではありませんのでご期待に添えるかどうか…』

鶴見「…相手の方が君の顔を見ているのであれば、何か反応があるはずだ。君は私の側で立っているだけでいい。」

『…了解致しました。』

鶴見中尉の言葉に申し訳無さが立ち「私が側にいる事で役に立つならば」と思い静かに頷いた。

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ダァァン

鶴見「そこまで、まだ殺すな。」

鶴見中尉の拳銃の音が街中に響き渡る。
刺青囚人を探していると思われる男は既に鼻と口から血を流して他の第七師団の人達に包囲されていた。

鶴見「私はお前の死神だ。お前の寿命のロウソクは私がいつでも吹き消せるぞ。」

外套を目深に被り、私は鶴見中尉の少し後方から倒れている男を見る。

顔に傷のある男…大柄…

ツキン、と頭に痛みが走り少し顔を顰(しか)めた。

ーーーーー

大柄で顔に傷のある男を連行して、鶴見中尉が男と机を挟んで尋問をするようだ。
私は鶴見中尉の後ろで部屋の中でなお、外套を目深に被り様子を伺っていた。

「俺は大怪我させられた娼婦の上客に頼まれただけだ。妙な刺青の男を探してそいつに仕返しをしてくれって、その娼婦を呼んでくれって言ったのに銃を持った連中が囲んで来たら訳も分からず逃げ出したくもなるだろう？」

血塗れの顔で弁明をする男の言葉に「筋は通っているな」と考えるも私は男に違和感を感じた。
恐らく、鶴見中尉も同様で目の前の男が何かしら情報を掴んでいると考えている様子だった。

鶴見「甘いものは好きか？」

「え？」

鶴見「小樽の花園公園名物の串団子だ。」

あれ美味しかったなぁ…

顔に傷のある男が団子を食べるのを見てこの間ご相伴にあずかった時の団子の味を思い出して少し涎が垂れそうになった。

「うまい。甘いものは久しぶりなんで唾液腺が弾けそうだ。」

その言葉に鶴見中尉がうんうんと頷いているのを見て私も心の中で頷いた。

鶴見「…“ふじみ”……“ふじみ”」

名を呼ばれたと思い思わず返事をしそうになったが、鶴見中尉の様子からみて私を呼んだ訳では無いと思うとグッと唇を引き締めた。

鶴見「川岸で瀕死の部下が見つかり、指で文字を書いた。」

…尾形上等兵殿が目を覚ました

鶴見中尉の言葉に思わず目に涙が浮かんだ。

良かった…生きてる。尾形上等兵殿が生きてる。

「ご馳走様、出口は向こうかな？」

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