【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ15)

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退院ページ15

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『うﾞｯ…』

鶴見「こらこら、そこまで気張る事ない。
それに、補佐と言っても私を補佐する月島軍曹の補佐でもある。安心したまえ」

『！月島軍曹殿の…頑張ります！！ぐｯ』

鶴見中尉本人の補佐ではなく月島軍曹の補佐だと言われて思わず私の目は輝いていた。
余計に興奮状態になり、再び痛みに蹲った私を鶴見中尉は目をぱちぱちと瞬かせてからクスッと笑ったのだった。

鶴見「私よりも月島の補佐で喜ぶとは…拗ねてしまいそうだ。」

そんな事を呟いているとは私は痛みで気に留める暇は無かった。

ーーーーー

数日が過ぎ、私の傷は回復して月島軍曹の補佐についていた。
ちなみに頭の傷で一旦髪は全部剃られ、私の頭は女性だと認識されない程の短髪になった。

まぁ、その方が私的にはありがたいのだが…

宇佐美「ぶふｯｯ！！何その頭！！！女捨てたの？ねぇ！！
めちゃくちゃ似合ってるよ！！最高に！！」

腹を抱えて笑い転げるこの上等兵殿だけは本当に好きになれないと心から思った。

『そーかも知れませんね。』

他人の神経を逆撫でするのが大好きなこの上等兵殿は私の返答に目に涙を溜めながら「ヒーヒー」と息苦しそうに笑い転げている。

いつか、ぶっ殺したい。

あのロシア兵や叔父以外にそう思う人物が現れるとは思わなかった。その点に関しては私に怒りと言う感情を思い出させてくれた事に感謝さえするも…

宇佐美「ヒーヒー！！女じゃないじゃん！！！男…猿じゃん！！！」

『…はぁ〜〜』

子供の頃から伸ばしっぱなしだったが、戦争で髪を掴まれる事もありその都度掴まれた場所を切り刻んでいたから元々ざっくばらんな髪型だった。髪型に頓着してるつもりは一切無いので今の髪型もどうも思っていないが…いつまでも他人の顔を見て目の前で笑い転げる宇佐美上等兵に「そんなに面白いか？」という思いと呆れのため息しか出なかった。

鶴見「藤見、ココに居たのか。」

宇佐美「鶴見中尉殿♡」

『鶴見中尉殿、如何なさいましたか？』

鶴見中尉が現れた瞬間に先程まで笑い転げていた姿が嘘の様に立ち上がり猫の様に甘える宇佐美上等兵をジト目で一瞥してから鶴見中尉に問い掛けた。

鶴見「うむ、どうやらこの辺り小樽で変わった刺青を彫っている人物を探す者がいると聞いてね。
その人物が尾形上等兵をあの様にした人物か藤見、君に確かめてもらおうと思ってね。」

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