【金カム夢】雪に拐かされ… (ページ1)

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プロローグページ1

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冷たい雪が吹き荒れる。

強張った顔の両親が私とお兄さまをキツく抱きしめている。

周りには銃を構えたロシア人が数人。

そして、私達と同じような状況の中国人親子、フランス人親子、アメリカ人親子等が10組程居た。

私達親子は北海道旅行の最中に一家まとめて人攫いに遭った。

周りの人達も似たような感じだった。

私は不安気にお父さまとお母さまの着物にしがみ付いた。

母「大丈夫よA、きっと大丈夫だから」

『…うん』

私をあやすように優しい顔でお母さまが言う言葉に小さく頷いた。

兄「…ｯ Есть ли у вас какие-либо требования к нам?(アナタ達は私達に何かご要望があるのですか?)」

お兄さまはとても優秀でお父さまの仕事を継ぐ為に様々な国の言葉を覚えていた。

だから、銃を持つロシア人に咄嗟に質問をした。

けど………

バーーーンｯ…

「шумный ребенок(うるさいガキだ)」

『ぇ……ぉ、兄さま…？』

胸から血を流し、口から血を吐き…お兄さまは地に伏せた。

幼い私にはそれがどう言う事かすぐには理解出来なかった。

「убей своих родителей(親を殺せ)」

私の目の前に小刀を差し出しながらロシア人が何か言った。

「Если я не смогу этого сделать, я убью тебя.(それが出来なければお前を殺す)」

母•父「ｯ…！？」

『？』

私はまだロシア語を習っていなかったから何を言われているか分からなかった。

お父さまとお母さまの身体が強張って私を抱き締める力が強まったのを覚えている。

母「…A、小刀を受け取って」

『？うん…』

私は訳が分からないまま、お母さまの言う通りロシア人から小刀を受け取った。

抜き身の小刀は子供の手には重く受け取った瞬間私はふらついた。

お母さまは小刀を握る私の手を覆ってにっこりと微笑んだ。

母「A…お母さまはアナタを愛しているわ」

ズブッ

『ぇ……？』

手に伝わる奇妙な感触に、微笑むお母さまの喉に小刀が突き刺さる現状に、私は動けなかった。

母「ごふｯ…」

『お母、さま…？』

お兄さまに続いてお母さまもが紅い血を吐き倒れた。

父「A……私達の分まで強く生きておくれ」

『ぉ、父さま……』

お母さまと同じく私の手を掴んでお父さまの喉に刃が深く突き刺さっていた。

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