chapter:41 ページ41
レトの言葉にキヨは驚く。
キ:「俺はお前宛ての……Aの手紙をすぐに渡さなかったんだぞ…?そして、そのせいでお前は事故に遭っちまった…俺がAの手紙を渡していれば、記憶を失う事は無かったんだ…!悪いのは全部、俺だ」
キヨはグッと拳を握り、震え出す。
レ:「確かに手紙をすぐに出さなかったキヨ君を怒った。せやけど、俺は今キヨ君が1人で抱え込んで苦しんでた事の方が、凄い怒っとる」
キ:「だって全部俺のせいじゃんか!!Aより俺を優先させたり、お前が記憶を失ったり…全ての元凶は、どう考えたって俺だ!」
キヨの目からは大粒の涙がポロポロと溢れていた。
レ:「Aちゃんと会うのを遠ざけたのは、キヨ君のせいやない。俺が自分で決めてやった事や。Aちゃんと会った時は2人で謝ろう?過去を変える事なんて絶対出来へんのやから」
キ:「…っ…」
レトはキヨの手を握って、キヨは片方の手で目を隠しながら頷く。
『……』
Aはレトとキヨを見守る様に見ていた。
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その後、担任の先生とサッカー部の部長が病室に入ってきた。
部長さんは松葉杖を借りたはいいものの、レトの病室が分からず病院内を回っている時にレトの親に連絡を終えた担任と出会い、病室へと戻ってきたそうだ。
担任の先生は学校に戻っていった後…
部:「キヨ、お前本当に送らなくていいのか?」
キ:「サンキュ、部長。ここからそんなに遠くないし、平気」
部:「さっきよりは顔色良いみたいだな。ってかお前目が赤いけど、どったの?」
キ:「えっ?!いや、花粉かなー?目が今めっちゃ痒くって」
キヨは乱暴に頭をかいた後、目をこする真似をして部長に説明をする。
キ:(やっべ…マジ漫画みてえな言い訳になっちまった。部長絶対笑い飛ばすよな…でも今は変えって好都合だけど)
部:「………お前は本当嘘が下手だよな」
部長はキヨが思っていた反応とは別に、笑みを浮かべる。
キ:「へ?」
部:「そんじゃ、俺は帰るわ。香坂、お大事にな」
部長はレトに近付き、ポンッとレトの頭に手を置く。
レ:「はい!部長さんも、ホンマありがとうございました」
部:「おう!」
部長は振り返って、キヨの耳元でコソッと伝える。
部:「良かったな、キヨ」
キ:「えっ…?!」
キヨが驚いて振り返ると、部長は片手を上げてヒラヒラと手を振りながら病室を出て行った。
キ:「……アンタも相当嘘が下手だっつーの」
キヨはフッと笑う。
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時