生徒会長の恋事情せかんど【伊東歌.詞太郎】 (ページ25)

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第六十一話　テストという怪物と闘う者達へページ25

学校に行くまでの道のりで那月に今までの事を話した。
天宮先輩と喋った事、その時洸葵先輩も来た事、そして日曜日にお部屋デートする事。
那月はそれを聞いて私が洸葵先輩の部屋に行く事より天宮先輩と話したことを羨ましがっていた。

「那月は何かないの？」

「なーんにもない。ただ夏休みにお祭りに行く約束はしたよ。」

いや、それなーんにもなくないよ！？
結構大事だよ！？

あ、そっか。
もうすぐ夏休みかぁ…。
確か一か月あるよね。
7月の後半から9月まで。この夏休みを利用して家に帰る人とかいるんだろうな～。
私も帰ろうかな…。
お父さんとお母さんに会いたいしね。

「Aはどーするの？夏休み。」

「夏祭り一緒に行きたいな～。」

それは当たり前。

そう言って那月が私の少し前を歩く。
その先には学校。
あぁ、今日もテストだ…。でも今日でそのテストも終わり。
さて、頑張りますか…！！

それから私は頑張ってテストを乗り越えた。
終わった。戦いは終わったんだ…。
私は勝ったんだ…。

拝啓テストという怪物と闘う者達へ

私は今日無事にテストを倒した。
倒すまでの道のりは簡単なものではないが、倒した後の解放感はたまらない。
これは君達にも是非感じて欲しいものだ。
では、幸運を祈る。

はい。
ごめんなさい。ちょっとふざけました。
あはっ。

「っていうか那月の奴め。さっさと帰りやがって…。」

そう。
私がこんなにもおかしくなったのに理由がある。
テストが終わりこの解放感を那月に聞いて欲しかったのだけど私が那月の席の方を見ればそこにはもう那月はいなかった。

支度早いな…。

しょうがないからそんな事を思いながら今に至る。

そよそよと、私の髪を、撫でる風。

わぉ。
俳句が出来ちゃったよ。

なんて一人で盛り上がりながら帰寮した。