フュンフ zm side ページ10
Aと会ったのは、ほんの1週間前。
俺が城下町を走っていると曲がり角でぶつかるという、なんともドラマのような出会い方をしたのだ。
まあ走っていたのが悪いのだ。
そんとき俺は、
zm「ごめん！大丈夫か？」
って言った。するとあっちは、
『大丈夫です。どうもありがとうございます。』
と言った。
彼は杖を持っていた。もしかして足が悪いのだろうか。ぶつかったことで怪我をしてしまっただろうか。
そう思い、重ねて声をかける。
zm「足悪いん？ごめんなぁ。前見てへんくて。」
すると彼は、
『いえ、おれが悪かったです。あと、怪我とかないですし大丈夫。俺どっちかというと足より目の方が悪くて。』
頭を殴られたみたいな衝撃が走った。
胸がなんだか重く感じて、腹の辺りが冷たくなって。よく見たら杖は白かった。
zm「もしかして、モーモクなん？」
『はあ、光を何となく感じ取れるくらいには見えます。...あの、もう良いですか？』
zm「ダメ。」
『はっ？？』
全然思わなかった。目が見えないなんて。だって普通に見えたから。でもきっとAにとってはそれが普通で。
zm「なあ、話しよーや！！」
『はあぁぁぁぁぁ！？』
こいつの世界を知りたいって思ったんや。
zm「俺ゾム！お前は？」
『...A・シュラーフェン。画家をやっている。よろしくな、ゾム！』
こんな強引すぎる誘いに意外にもノってくれて、にっこりと笑ってくれた。
『俺と話をしたいのはお前なんだから、ゾムが俺に付き合えよ？』
zm「あったりまえやん！...で、どこに行くん？」
花畑に行くらしい。存在は知っていたが、行ったことはなかった。
この時期には沢山の花が咲き誇り、彼にとってそれはそれは夢のようらしい。
だんだん点字ブロックが無くなっていき、けもの道に差しかかる。
が、Aは何度も来ているのか、それをものともせずにスっスっと歩いて行く。
zm「なあ、見えへんのにどうやって描くん？」
『まあ見てなって。』
俺たちは花畑の真ん中に座って、Aは持っていたカバンから絵の具とペットボトル、プラスチックの器。それからスケッチブックを取り出した。
俺はと言うと、「早く描いてくれへんかなー」って楽しみにしながら鼻歌でも歌っていた気がする。
パレットに絵の具が出されて、太陽光に反射してつやつやと光っていた。
『なあ、描いて欲しい花とかあるか。』
zm「んじゃ、これ。」
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Nanaki(プロフ) - すみれいんさん» ぴえっ！？ありがとうございます！！何度も読んで頂けているとは…書いていて感謝されたのは初めてです！この作品は思い入れがあるので、そう言って頂けて嬉しいです！幸せ！！！！！ (2020年4月16日 2時) (
レス) id: 421b2f6c3f (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 何度読んでもいい作品です。ありがとうございます！！ (2020年4月16日 0時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» えへ。休み休み次からも頑張る！コメントありがとう！！ (2019年12月30日 11時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
yukina(プロフ) - ムリすんなよ？休むことも大事なんだからな？ (2019年12月15日 22時) (レス) id: 8d2558e81e (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» でしょでしょでしょでしょでしょ((ry (2019年11月30日 20時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月17日 23時
