ドライ em side ページ8
夕食を食べ終えて図書室に戻り、本を読む。
この時間が私はかなり好きだ。
ゆったりとした時間が過ごせるし、好きなことができる。
図書室はもはや私の部屋と言っても過言ではない。
仕事は図書室の「管理人室」というドア1枚を隔てたすぐ隣の部屋で行うし、暇な時間はこの部屋に入り浸り。
最近はティーセットなども持ち込んでいる。
...そろそろ怒られるだろうか。
読みかけのミステリー小説を棚から取り、蝶の形のチャームが着いているブックマークを外す。
さてさて、ここからの展開が面白いのだ。
主人公は死んだのか、それとも生きているのか...
このページをめくれば分かる....！！
ドキドキしながらめくろうとすると、
zm「エミさーーん！！！！」
大声を出して図書室にゾムさんが入ってきた。
めくりかけていた手を止め、ゾムさんに向き直る。
em「どうされましたか？」
zm「あのさ、あのさ、点字の本ってあるかな。」
入ってきた時とは真逆に小さな声でそんなことを言う。
em「もちろん。最近は何だか勉強熱心ですね。」
zm「お、おん。まあええやろ？それより点字の本どこ？」
em「こちらです。」
...本当に勉強熱心になったものだ。
最初は
zm「なぁ、モーモクの人って何されたら困るかな。何されたら助かるかな。」
といきなり聞かれ、かなり戸惑った。
取り敢えず本を渡したが、その本は半日もせず帰ってきた。
em「面白くなかったですか？」
と聞くと、
zm「もう読んじゃった。ちゃんと内容覚えたんやで。次の本借してや。」
と返されて、また戸惑った。
という感じで、次の本、次の本、と貸していったのだ。
em「えーと、これとかどうですか？」
表紙には「点字初心者入門」と書かれていた。
zm「ありがとう。これ何時までに返せばええ？」
em「3週間後までに返してくれれば良いですよ。」
zm「んじゃ借りるな。ありがとー！！」
ゾムさんは本を小脇に抱え、ピューン、と飛ぶように走り去って行った。
ふう、やっと嵐が去った。
しかしまたなんで視覚しょうがいについての本を...
まあいい。とにかく本の続きを読もう。
いつの間にか両手には大量の汗。
ああ、楽しみだ！！
両手をごしごしとハンカチで拭き、そっとページをめくる。
一行目には
《彼はまだ存在していたのだ！》
と書かれていて、思わず
em「っしゃ！」
とガッツポーズをしてしまったのは仕方がないと思う。
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Nanaki(プロフ) - すみれいんさん» ぴえっ！？ありがとうございます！！何度も読んで頂けているとは…書いていて感謝されたのは初めてです！この作品は思い入れがあるので、そう言って頂けて嬉しいです！幸せ！！！！！ (2020年4月16日 2時) (
レス) id: 421b2f6c3f (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 何度読んでもいい作品です。ありがとうございます！！ (2020年4月16日 0時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» えへ。休み休み次からも頑張る！コメントありがとう！！ (2019年12月30日 11時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
yukina(プロフ) - ムリすんなよ？休むことも大事なんだからな？ (2019年12月15日 22時) (レス) id: 8d2558e81e (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» でしょでしょでしょでしょでしょ((ry (2019年11月30日 20時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月17日 23時
