53話 行かせてあげたい ページ9
勉強会は黙々と進んでいき、皆さん集中して取り組んでいました。
(ただし、涼太の唸り声だけが聞こえる)
それにしびれを切らしたのか、涼太は手を止めてペンを机に置く。
「俺もう勉強したくないっス...」
そう言いながら、机に突っ伏していた。
「おい黄瀬!こうやって集まって教えてやってんだから、集中しやがれ!」
「だって、かれこれ3時間は勉強してるじゃないスか!疲れたし、もう俺頭パンクしそうっスよ!」
「でも頑張らないと試合出れないだろ?」
「小堀の言う通りだぞ黄瀬」
「確かにそうっスけど...!」
子供のように駄々をこね始めた涼太は、見ていて段々腹が立ってきてしまう。
「つーか、黄瀬。それ以上文句言ってるとAが怒る...」
幸ちゃんが何か言いかけた時には、私の口は動いていた。
『涼太、したくないとか、疲れたじゃなくて、やるの。いい?』
「は...はい、っス...」
涼太は、すぐにペンを取り勉強を再開した。
でも、流石に集中力切れてくるかな...私はまだ出来るけど、他の皆さんもそうだとは言えないし。
『でも、流石に3時間通しでやったら集中力切れたよね。一旦休憩しよっか。私クッキー焼いているので皆で食べませんか?』
「Aちゃんのクッキー!?食べたいな!!!」
『じゃあお茶入れたりしてきますので、待っていてください。笠松先輩!お茶運ぶの手伝ってください』
「お、おう」
私と幸ちゃんは、一旦部屋を出て、キッチンへと向かった。
幸乃さんが、自由に使っていいと言ってくれたので、とても助かった。
ちなみに、勉強合宿のことを話したら、先輩方が泊まることを快く許可してくれました。
「珍しいな。お前がああいう事言うの」
幸ちゃんは、クッキーをお皿に乗せ、私はお茶を注いでいます。
その際に、幸ちゃんがクッキーをつまみ食いしていたけど、いつもの事なので何も言いません。
『んーそうかな?でも、試合行かせてあげたいじゃん』
「そーだな」
幸ちゃんはそう言ってまたクッキーを口の中に入れていたので、手を軽く叩いておきました。
〜
「Aっち...めっちゃ怖かったっス!!!」
「お(れ)めちゃくちゃびっく(り)したぞ!」
「普段優しい子が怒ると、迫力があるね...」
「でも黄瀬のこと考えた上で言ってくれてるんですから、本当優しいですね」
「黄瀬のことはどうでもいいが、早くAちゃんのクッキーが食べたい!!!」
「酷くないスか!?」
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時