90話 したくないし、させたくない ページ47
なんで眉間にシワ寄せてる所だけを的確に見られているんだろうか...割と恥ずかしいよ...!
『それ、さっき涼太にも聞かれました。何も無いですよ?無意識になってたみたいで』
そんな私の言葉を聞いた幸ちゃんは、ハァ〜っと長い溜息をつく。
「お前がそんなんになってる時は、昔から大体何かあった時か、腹減ってる時なんだよ」
『え、ちょっと私が食いしん坊みたいな感じに言うのやめてくださいよ』
「まあ、今は何かあったんだろうけどな」
『スルーですか』
「まあ、本当に何もねぇならいいんだけどよ。何かあったら言えよ?それが俺達の約束だからな」
『うん。ありがとう...ございます』
「なんで敬語忘れてんだよ」
『つ、つい!』
「んじゃ、そろそろ試合始めるから、タイマーよろしくな」
『はい!』
そう言って幸ちゃんは、小堀先輩達の元へ戻って行く。
私は、今から始まるゲームに備えてスグにタイマーの設定をした。
6分にセットして、ゲームが始まるのを待つ。
海常では、公式試合が近くない時のゲームは大体6分で進めているのです。
でも、多分来週から10分に変わるだろうけど。
コートの端にいる幸ちゃんの姿がチラリと見える。
他の選手の事も見て、その上マネージャーの事まで見てるなんて、凄い人だなぁ。
本当にカッコイイや...
そんな事を考えていると、私はふと幸ちゃんと昔交わした約束のことを思い出す。
<何か問題があったら、絶対に相談すること。>
それが、3年前、私が中学1年生の時に幸ちゃんとした約束だ。
その約束があったから、私と幸ちゃんの間には殆ど隠し事なんてない。
まあ、1番の問題だった、高校の件についてだけは、入学するまで隠し通したけどね。
そう言えば幸ちゃんって、なんで私が海常来たのか、本当の理由をまだ知らないのか。
まあ、その話はまた時期が来たら話そう。
そしてインターハイが終わったら、少しぐらいは時間出来るよね?
今までずっと忙しかったから、ゆっくり昔の話でもしたいな〜。幸ちゃんの、恥ずかしエピソードとか!
絶対顔真っ赤にするだろうね!
ふふ、楽しみだ。
すると、ブワッと開放しているドアから風が入り込んできた。
うわっ...涼しい。
長かった梅雨も終わり、明日から7月。
インターハイまで、あと少し...
後悔なんてしたくないし、させたくないから、私は今日も明日も明後日も、裏方として頑張らせて貰うんだ。
ピーっと、ゲームの始まるホイッスルが鳴り響いた。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時