88話 遅れてきたのはそのせい ページ45
『...』
｢Aっちどうしたんスか〜?さっきから笠松先輩みたく、眉間にシワが寄ってるッスよ!｣
『え!?本当!?』
ゲームに入る前の休憩中に、ボトルに入ったドリンクを飲みながら涼太が近付いてきた。
割と心配そうにこちらの顔を覗き込んでくる。
｢すんげーキリッてなってたッスよ。俺が再テストで昼休み潰しちゃったこと、まだ怒ってるんスか〜...!｣
そう。結局涼太は、数学の再テストが昼休みギリギリまで終わらずに、最終的にまた再々テストとなったのだ。
その事を知った時の私の顔が忘れられないと涼太は言っていた...
と、まあそんな事はどうでもいいのだ。
いや、全く良くは無いんだけど。
『別に怒ってなんかないよ。あれは呆れていただけだし...また数学教えるのかと思うとね...』
｢す、すんませんっス...本当にその事で眉間のシワ寄せてたとは...｣
『あ、いや別に違うよ。むしろその事忘れてたし』
｢えっ。じゃあ本当にどうしたんスか｣
『んー...わかんない。無意識だった』
｢珍しいっスね〜Aっちがそんな風になってるの。もしかして昼休みに何かあったの?｣
『特に何も無かったよ?いつも通り笠松先輩に玉子焼きとられたこととか...?』
昼休みにあった事を思い出してみると、幸ちゃんに玉子焼きとられたことや、早川先輩と中村先輩が途中で合流したこと、
早川先輩が屋上のドアの段差に躓いて盛大にコケたこと、その拍子にお弁当をひっくり返したこと、
同情して皆で残っていたおかずを少しわけてあげたことぐらい...?
お弁当をひっくり返した時の、早川先輩の悲しい表情が忘れられない...
玉子焼きあげたら、すぐ笑顔になっていたけど。
ちなみに幸ちゃんは、すでに完食していたので、鞄に入っていた飴をあげていた。
他に何かあったとすれば...あー、女バスの主将さんが来たことか。
しかしそれだけで、別に私の様子がおかしくなるようなことがあった訳ではない。
一応その事を涼太の伝える。
｢俺がいない間に、早川先輩にそんな不幸が訪れていたんスか...｣
『森山先輩と中村先輩は梅干しだけあげてた』
｢ひでえッスね...ん?そう言えば女バスの主将って?｣
『壮行会の打ち合わせのこと伝えに来たんだって。笠松先輩が遅れてきたのはそのせいだよ』
｢へ〜突然女子が来たから先輩狼狽えてたんだろうな〜!見たかったっス!｣
『ううん。普通に喋ってた』
｢えっ｣
突然、涼太の顔がフリーズした。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (
レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです！初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新お待ちしております！ (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴよ子 | 作成日時：2017年11月12日 15時
