83話 世界一だいすき! ページ40
「おけーり」
『もしかして待った?』
「10分くらいな。荷物かせ」
『はーい』
幸ちゃんは私の持っていた買い物袋を持ち、2人で家へと帰ります。
いつもの帰り道でたわいの無い話をしていると、幸ちゃんが「ああ、そうだ」と言う。
「お前の肩の事、皆に言った...昔の事も」
『あ、そうなの?...そんなバツの悪そうな顔しなくていいのに』
「俺にとって未だにトラウマなんだよ...」
『別に気にしなくていいのに。あ、でも私も6年前のこと夢に出てきたんだ〜!あの花も写真撮って飾ってるし』
「おいもうそれいいだろ!?」
『えーだって嬉しかったんだもーん!』
幸ちゃんに、えへへと笑いかける私。
幸ちゃんの顔は真っ赤に染まっている。
くっそう...照れてる顔も可愛いなぁ...!
「って、ンなこといいから、さっさと結果話せよ!」
『幸ちゃんから話振ったくせに理不尽〜!』
「あ?」
『ごめんってば』
自分が不利な状況になると、スグに話を変えようとする癖は昔から変わっていない幸ちゃんです。
『えっと、最近力仕事ばかりしてたから少し負荷がかかっただけだって。1週間は安静にしてたら楽になるって言われたよ』
「じゃあ、ボトル1年にやらせるか?」
『ううん、大丈夫』
「ん、わかった」
『あと、7月の球技大会も大丈夫だって。ただし無理したら痛いマッサージするからねって脅された』
「あのマッサージ、医院長直々だったんだな」
『効き目は抜群なんだけどね〜』
「まあ、異常がねえならよかった。明日からまた仕事頼むな」
『うん!まっかせとけ〜!』
「だから調子のんな」
『アイタッ!?』
へっへーんと調子に乗っていると、幸ちゃんからのチョップを頭に食らいました。
力を入れていないので痛すぎるわけじゃないけど、やっぱり痛い。
「ったく...大事なマネなんだから無理はすんなよ...」
『えっ...』
「なんでもねえ!あと少しなんだからさっさと歩け!」
『幸ちゃん...』
そっぽを向いて歩く幸ちゃん。
あ...そう言えばここって、あの時の同じ場所だ。
『幸ちゃん!あのね!』
「な、なんだよ」
幸ちゃんは大声を出した私に驚きこちらを向く。
私は6年前と同じ場所で、同じセリフを、私の大事な幼馴染言う。
ここで私は幸ちゃんの優しさを再確認したんだっけ。
6年前から、いや、物心がついた時から私の気持ちは変わらない。
『私ね!幸ちゃんのことが世界一だいすき!』
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時