72話 だって ページ28
「ごめんね〜笠松くんじゃなくて」
何故か俺の名前が出てくる。
しかも、声が高い...?男子の声では無い。
この声って、坂木...?
物陰からコソッと様子を見てみると、Aの前には3人の女子が立っていた。
そう、先日俺に告白をしてきた坂木グループである。
「話があるから、6年教室前の階段で待ってる。
笠松幸男。って手紙に書いただけで、本当に来るとは思わなかったよ!」
「だまされてかわいそー!」
「本当だよねー!」
そう聞いた俺は、Aが握っている手紙を見る。あれは、ラブレターなんかじゃなくて、俺の名前を使って、坂木たちがAをこの場所に呼ぶための道具だったのか...
なんでAはそんな手紙で、ノコノコとこの場に来たんだよ!馬鹿か!
『...ゆ、ゆきちゃんじゃないことは、分かってました。ゆきちゃんこんなに、字キレイじゃないし...』
俺さりげなく馬鹿にされてないか...?
「笠松くんの字じゃないって分かってたのなら、なんで来たのよ。バカなの?」
『だ、だって...わたしに言いたい事があるからこうやってよんだんじゃないんですか?』
「何?笠松くんの前ではふつうなのに、私たちの前だとオドオドするんだね」
「かわい子ぶってるの?」
『い、いや、そう言うわけじゃなくて...』
元々、人と話すことが苦手なAは、俺以外の人と積極的に話すことなど無かった。
だから、今こうして坂木達、上級生と話せている事は、凄いことだ。
けど俺は思った。手紙の相手が俺じゃないと分かっていながら、アイツは来たんだ。
呼ばれたから来たとは言っていたが、普段のアイツは基本知らない奴とは関わらない。
何か、Aに思う所があったのか...?
「まあいいや。呼び出した理由だけどさ、もう笠松くんに付きまとうのやめてくれない?」
『え...』
「笠松くんいやがってるしさー!この間もすっごい怒ってたじゃん!」
「私さ、この間笠松くんにフラれたんだよね。それって、アンタがいるからだと思うんだー。ほら、笠松くんって優しいじゃん。だからアンタが付きまとってても優しく相手してくれるんだよ。
つまり、アンタって笠松くんの重荷なの。分かる?だからさっさと笠松くんからはなれて行ってくれない?」
何言ってんだよアイツら...
これ、俺にフラれた腹いせに、A呼び出したのか...?
坂木にそう言われたAは、恐る恐る口を開く。
『え、っと、イヤ...です...』
62人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時