69話 腹減ったな ページ25
いつの間にか寝ていた。
ドアの前に居たはずだが、俺はベットに上で寝ていた。母さんが運んでくれたんだろうか。
「...頭いてぇ」
変な時間帯に眠っていたせいか、頭が痛い。
ボーッとした頭で、部屋の時計を見ると、針は7時を過ぎていた。
すると、階段を上がってくる足音が聞こえた。
寝た振りでもしておこうか...
足音は、俺の部屋の前で止まり、コンコンとドアをノックした。
俺は返事をしなかった。
「...幸男、さっきAちゃんが来てくれたわよ。監督の都合で、2週間練習無いって」
母さんは部屋に入ってくることなく、ドアの前で話すだけだった。
母さんは俺が起きていることを知っているんだろうか。多分、俺が今どうしてこうなっているかも、母さんは気付いているんだろうな。
「それとAちゃんが、ごめんね。って」
「...」
「ご飯出来てるから、降りてくるのよ」
それだけを言い残して、母さんはリビングへと戻って行った。
やっぱり俺はガキだ...
年下に気を使わせて、アイツは悪くないのに。
勝手に自信なくして、勝手にアイツの隣にいるのはキツいだのなんだの言って。
2週間練習が無いのは、少し好都合かもしれない。バスケはしたいが、今Aに合わせる顔なんてどこにも無い。
だから、練習が再開するまでには、気持ちを落ち着かせて、ちゃんと謝ろう。
Aの隣に居ても、恥ずかしくない男に俺はなりたいんだ...
「腹減ったな...」
俺はリビングに行き、椅子に座った。
その俺を見た母さんは、晩御飯を出してくれた。今日は肉じゃがの様だ。
母さんは俺に何も言わず、味噌汁を温め直してくれている。
箸で肉じゃがを摘み、口に入れる。
何故か今日は美味しいとは思わなかった。
少し、しょっぺえ...
頬を伝って落ちてくる水を、俺は拭うことなく飯を口の中にかきこんだ。
〜
次の日、俺はいつもより早く家を出た。
毎日Aが、玄関で俺を待っているが、顔を合わせたくない俺は、10分早く登校した。
流石にこの時間には居ないみたいで、安心した。
学年が2個離れている事もあって、学校でも中々顔を合わせることは無い。
勝手で悪いけど、A、少しだけ待っててくれよな。絶対謝るから。
そんな生活が1週間ほど続き、俺に驚きの出来事が訪れた。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時