68話 きらわれちゃった ページ24
「2人って付き合ってんの?」
相手にとっては何気無い一言だったのだろう。だけど、あの時の俺には、言われたくない一言だった。
「はあ...?ンなわけねえだろ!皆してオレ達が付き合ってるとか!なんでこんなヤツと付き合わなくちゃいけねえんだよ!!!」
俺は、ふと我に返ってAを見た。
ヤバい。言い過ぎた。でも、俺もことある事にAとの関係を聞かれ、ストレスが溜まっていたのだ。それが今爆発してしまった。
ここまで酷いことを言ったのだから、泣いているのだろうなと思った。
『...』
俺はAを表情を見た瞬間に、走って逃げた。
泣いてなんかいなかった。怒ってすらいなかった。ただ、俺に心配そうな表情を向けていた。
あんなに言われたのに、普通だったら怒ったり泣いたりするだろ。まだアイツは10歳にもなっていないんだぞ。
それなのに、俺の心配をするってどういう事なんだよ。
俺がアイツよりもガキみたいで、惨めじゃないか。
ただ恥ずかしかったんだ。
昔はなんとも思わなかったことが、今では恥ずかしくてたまらないんだ。
Aは、小学生だけど、落ち着いている性格のせいか、周りより大人っぽく見える。
顔も両親譲りでとても整っている。
文武両道で、小学生とは思えない顔の整い。
それに対して、俺は女子が苦手で、勉強もそこそこしか出来ない。顔もカッコイイとは言えない。
そんな俺が、Aの隣にいることが、恥ずかしかったんだ。
なんの取り柄もない俺が、Aの隣にいていいのかと思っていたんだ。
そんな事を考えている自分が惨めでしょうがなかった。
そんな俺を大好きだと言うAにイラついてしょうがなかった。
家に辿り着いた俺は、すぐに自分の部屋へと向かった。
「あら?幸男、ミニバスはどうしたの」
「今日休む!」
「え?って、手を洗いなさい!幸男!全く...どうしちゃったのかしら...」
母さんの声も聞かずに、自室の扉を乱暴に閉めた俺は、その場でうずくまった。
そう言えば、初めて、ミニバス休むな...
A、お前今何考えてんだよ...
〜
「かさまっちゃん行っちゃった...」
『ゆきちゃん...』
「えっと、ごめんね?Aちゃん、だったよな...?」
『わたし、ゆきちゃんにきらわれちゃった』
その時のAの顔は、どんな表情をしていたのか誰も知らないと言う。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時