検索窓
今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:48,462 hit

68話 きらわれちゃった ページ24

「2人って付き合ってんの?」



相手にとっては何気無い一言だったのだろう。だけど、あの時の俺には、言われたくない一言だった。






「はあ...?ンなわけねえだろ!皆してオレ達が付き合ってるとか!なんでこんなヤツと付き合わなくちゃいけねえんだよ!!!」




俺は、ふと我に返ってAを見た。
ヤバい。言い過ぎた。でも、俺もことある事にAとの関係を聞かれ、ストレスが溜まっていたのだ。それが今爆発してしまった。


ここまで酷いことを言ったのだから、泣いているのだろうなと思った。




『...』




俺はAを表情を見た瞬間に、走って逃げた。





泣いてなんかいなかった。怒ってすらいなかった。ただ、俺に心配そうな表情を向けていた。

あんなに言われたのに、普通だったら怒ったり泣いたりするだろ。まだアイツは10歳にもなっていないんだぞ。
それなのに、俺の心配をするってどういう事なんだよ。

俺がアイツよりもガキみたいで、惨めじゃないか。









ただ恥ずかしかったんだ。
昔はなんとも思わなかったことが、今では恥ずかしくてたまらないんだ。
Aは、小学生だけど、落ち着いている性格のせいか、周りより大人っぽく見える。
顔も両親譲りでとても整っている。
文武両道で、小学生とは思えない顔の整い。

それに対して、俺は女子が苦手で、勉強もそこそこしか出来ない。顔もカッコイイとは言えない。


そんな俺が、Aの隣にいることが、恥ずかしかったんだ。
なんの取り柄もない俺が、Aの隣にいていいのかと思っていたんだ。

そんな事を考えている自分が惨めでしょうがなかった。
そんな俺を大好きだと言うAにイラついてしょうがなかった。








家に辿り着いた俺は、すぐに自分の部屋へと向かった。




「あら?幸男、ミニバスはどうしたの」


「今日休む!」


「え?って、手を洗いなさい!幸男!全く...どうしちゃったのかしら...」



母さんの声も聞かずに、自室の扉を乱暴に閉めた俺は、その場でうずくまった。


そう言えば、初めて、ミニバス休むな...





A、お前今何考えてんだよ...







「かさまっちゃん行っちゃった...」


『ゆきちゃん...』


「えっと、ごめんね?Aちゃん、だったよな...?」


『わたし、ゆきちゃんにきらわれちゃった』





その時のAの顔は、どんな表情をしていたのか誰も知らないと言う。

69話 腹減ったな→←67話 ここにいるよ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 笠松幸男 , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。