63話 昔話をしようか ページ19
昔話をしようか。
今から約15年前、隣の家の夫婦の間に子供が産まれたそうだ。
元々両親同士仲が良く、俺も良く世話になった。
子供が産まれたと聞いた、俺の両親は大喜びをしたらしく、俺を連れて大急ぎで病院へと向かった。
病室に入って、隣人の夫婦は歓迎してくれた。母さんに抱き抱えられていた俺は、好奇心で産まれた赤ちゃんを見たがっていたらしい。
母さんの腕の中で暴れていた俺は、静にしなさいと怒られたが、隣人夫婦はそんな俺を見て笑っていたという。
おいで、とベットに座らせてもらった俺は、母親の腕の中で眠っている赤ちゃんをまじまじと眺めた。
当時2歳の俺は、いったい何を思ったのだろうか。
昔の事は、殆ど覚えていないが、その寝顔だけは今でも鮮明に覚えている。
それが、俺とAの出会いだった。
〜
『ゆーきーちゃん!おままごとしよう!』
幼稚園の年長になった俺は、毎日Aの遊びに付き合わされていた。
お互い、両親が家にいない時は、どちらかの家に預けられ育てられてきた。
そのせいか、本当の兄妹かと疑う程、俺達は仲が良いらしい。
Aが転んで泣いた時は、俺が駆け寄って慰めてやった。
怪我をして歩けないと言った時はおぶってやったりもした。
俺が他の奴と喧嘩をして、負けて泣いていた時は、Aがそばに来て泣き止むまで俺の頭をなでてくれていた。
何故か撫でられると気持ちが落ち着いて、心地よくなった。
だから昔は、俺の機嫌が悪い時は、よく頭を撫でてもらっていたのだ。
今では恥ずかしい話だがな...
まあ、それほど仲が良かったという話だ。
昔は別に一緒にいても恥ずかしくなど無かったし、それが原因で茶化されてもなんとも思わなかった。
だから、俺達はずっと一緒にいた。
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時