▽女心 ページ15
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あれから一週間。
森山先輩は黄瀬くんの言ったとおりにしている。
森「なのに、なぜモテないんだ?!」
『私が聞きたいです』
森山先輩を見かけるたび、
彼は口説くことはせず、女性を誉めたり、荷物を持つなどしていた。
『…なぜでしょう?』
森「俺は言いつけを守ったぞ!ちゃんと教科書からなにから持ってあげたし…、」
『それだ!』
森「え?」
『きっと、やりすぎなんですよ。先生から頼まれたクラスのプリントとかだったらわかります。教科書はやりすぎです。自分で持てます』
森「女心って難しいな…」
単純に、森山先輩が少しアホなだけな気がするけど。
『それに、たまにでいいんですよ。ずっとやってたら利用されて終わりですよ!』
森「利用してくれる子さえいない…」
『…悲しいですね。なんかすいません』
森「うぅ…」
これ、きたな。泣くモード。
めんどくさいから、なんとかして阻止しないと。誉めないと。
『でも、やっぱり素が一番だと思いますよ!口説いてない森山先輩は森山先輩じゃありません!それに森山先輩、充分かっこいいですし!』
森「…ほんとか?」
『はい!優しいし、気づかいもできるしバスケ上手いしイケメンだし!』
森「…笠松よりもかっこいいか?」
『それはないです。なに言ってるんですか。怒りますよ』
森「うぅ…」
『はっ!しまった!』
笠松先輩の名前を出されてつい…。
なんだかめんどくさいなぁ。
もう、帰っちゃおうかな。
森山先輩はポジティブだから大丈夫だよね!
『あっ、もうこんな時間!帰らなくっちゃ!(棒読み)』
森「いや、めちゃくちゃ棒読みなんだが」
『ほんとは森山先輩といたいけど、帰らなきゃまずいからなー。なにがまずいかはわからないけど、まずいからなー(棒読み)』
森「…Aちゃん?」
『じゃあ、そういうことで!』
森「えぇ!?」
『あっ、それと…私、いつもの森山先輩が好きなんで早く戻ってくださいね。今の先輩はなんか気持ち悪いんで!』
森「…………」
うざい、とか
うるさい、とか言ってるけど
やっぱりいつもの森山先輩がいい。
森「元気づけてくれたんだろうが、最後の一言はいらなかったな。
…まっ、Aちゃんらしいか。ありがとう」
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作者名:優 | 作成日時:2018年3月1日 13時