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俺から見た彼女【◆黄瀬】 ページ10

素直に、可愛いと思った__

若干、青峰っちの妹だから

贔屓目に見ていた気はするけど…


「私、アンタみたいなの嫌いだから」


びっくりした。

面と向かって、ハッキリ言ったのだ。

しかも、冗談とかではない。

可愛いと思っていた顔が、顰めっ面になっている。

青峰っちは何故か隣で大爆笑していたけど。


「まぁ、Aはテツが大好きだから」


そう青峰っちに言われて、あぁ、それでか。と思った。
なんだって、あんな薄い奴がいいのか…

その薄い奴と話しているAっちは
俺と話している時とは比べ物にならないくらい
可愛い顔だった。

でも、その薄い奴、もとい黒子っちの凄さを知るのに
時間はかからなかった。

自分でもあからさまだと思うけどしょうがない。
だって黒子っちが凄すぎて
黒子っちとバスケするのが楽しくて
そのプレイスタイルに尊敬して
大好きになってしまったのだから。

それなのに、また、睨まれてしまった。


「本当アンタ嫌いだわ」


まるで毛虫でも見ているかのような顔。
あんな、可愛い顔なのに。

そもそも、俺、女の子にあんな顔されたことない。

嫌いなんて、付き合っていたコと別れる時でさえ
言われた事がない。


「別に、テツと仲良くなったのはいいことじゃねぇか」


そうフォローする青峰っちは、腹を抱えて笑っている。


「それだけが理由じゃない」

フンっとそっぽを向いてしまう。
元来人懐っこいはずの彼女は
他の皆には、黒子っちまではいかないとしても
可愛い顔を見せているのに…
俺に対しては本当に表情筋が死んでいた。


「納得がいかないんすけど!俺にも笑って欲しいっす!」


トンと壁ドンをしてみても
Aっちはびくともしない。
普通の女の子なら、赤面もんなのに、
青峰っちが怖い顔になるだけの結果に終わった。

こうなったら、なんとしてでも
笑わせてみせる!なんて、意地になっていた。

そこから、今まで以上にAっちに付き纏うことになる。

その姿に「まるで犬だなァ」なんて
省吾くんにムカつく事言われたが
その省吾くんにもAっちは笑っているのだ。

「私、犬より猫派なの」

「だと思ったっすよ!」

あぁ、もう俺泣きそうっす。

そう思っていたら、可愛いらしい笑い声が聞こえた。

まさか…

バッと顔をあげたら
いつもの眉間に皺を寄せた顔ではなくて
可愛い顔だった。


「薄々感じてたけど、あんたって憎めない奴だな」


それが、一番最初
彼女にきゅんとしてしまった出来事。

好きになった瞬間【◆黄瀬】→←俺から見たアイツ【◆虹村】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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