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俺から見たあの子【◆紫原】 ページ6

王道なお菓子が好きな女の子__

Aちんが舐めてる飴は俺も好きだ。
まいう棒並に種類も多い。

部活帰りにコンビニに行くと
よく俺と黒ちんとAちんで
お菓子コーナーへ行く。
俺と黒ちんは新商品をチェックするが
Aちんは決まって王道のものしか食べない。

棒つきキャンディーは
コーラ味かイチゴみるく味
たま〜にチョコバナナ味

まいう棒は
コンポタかてりやき

ポテチはうすしお

ジュースは
基本コーラで冬になるとココア

どんなに新商品が出たとこで
それがブレることはない。
むしろ、新商品や奇抜なものを俺が買うと
物凄く嫌な顔をする。

「なにそれ、おいしくなさそー」

「えー、意外とおいしーよ?いるー?」

「いらない」

基本的に俺達は合わない。

それは、他でも。

「ねー、紫原の髪、バスケで邪魔じゃないの?」

Aちんはショートカットで
耳掛けをしていて、綺麗な顔立ちがハッキリわかる。

対して俺はだらんと長め

でも俺は思っている。
Aちんは絶対長い方が可愛いって。

「べつにー?俺そんな真剣にやってないしー」

「はぁ?ナメてんの?」

そして、バスケに対して
異常なまでに執着している。

全体を総じて、よく言えば一途
悪く言えば頑固だ。

たまに、峰ちんより
みどちんに似てるなーって思ったりもする。

でもね、俺、Aちんと話すのは楽しいんだよね。

「紫原はいいなー!大きくて!」

「Aちんは小さいよね」

そう、小さいんだ。
俺からしたらものすごく。

それなのに、あの峰ちんと
対等にバスケをしようとする。

たまにそれが、ものすごく痛々しい。

いつか、壊れるんじゃないかって思っていた。

だから、俺からしたら、あの日起こったことは
突然でもなんでもなくて…

あー、やっぱ来ちゃったかって感じ。

それでも、Aちんがバスケをしていないのは

想像ができなかったから、口先だけで引き止めた。


「何にも知らないくせに」


知ってるよ。
Aちんが、必死で、頑張って、
峰ちんに離されないように、食らいついていたことは。

でも、泣いてしまいそうな彼女に
何も言えなくなった。

他の皆の気持ちはわかんない。

でも俺は、これ以上、彼女が苦しむとこは見たくなかった。

苦しむくらいなら、バスケなんかしなくていいと思った。

バスケをしなくなった彼女と話すことはなくなったけど

でも、いいんだ。

きっと、Aちんはまた戻ってくるから。

そしたら、また、お菓子の話でもしよう。

俺から見た彼女【◆緑間】→←俺から見た彼女【◆赤司】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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