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俺から見た彼女【◆赤司】 ページ5

観察対象____

同じ学年の男女の双子に
最初から興味はあった。

初めて男バスに顔を出し、知り合いになってから
2週間、青峰と青峰妹を比べて観察をしている。

あぁ、この二人は結構違うんだな、と思った。

青峰の場合は、感覚でバスケをする天才タイプで
彼女は頭を使ってバスケをする秀才タイプ

青峰はインサイドが得意だが
彼女はアウトサイドが得意

勉強に関しては天と地ほど差があり

青峰達と一緒に巫山戯ている事も多いが
基本彼女は真面目で努力型。

双子なのに、こうも違うかと
興味深かった。

まぁ、二卵性だからなのだろうと
理論上、納得はしているのだが。

それでも、彼女を観察するのは面白かった。

そんな彼女は今、誰かを探している。

「虹村さんなら、委員会で遅れるらしいよ」

俺が声を掛けると、びくっと肩が跳ね
目をまん丸にしてこちらを見た。

「違っ…」

そう否定しながらも、ほのかに頬が赤いから
そういうことなのだろう。

「あ、青峰の方だったかい?それなら、度重なる宿題忘れで、職員室に呼び出されているみたいだけど」

そう言うと、彼女はわかりやすく呆れた顔をして

「あのバカ…」

と小言を言いながら溜息をついた。

表情に感情がのっかっていて
とても面白い。

「青峰さんはわかりやすいね。そこは青峰と良く似ている」

そう笑って言うと

「うるさいな」

と彼女はムスッとして口元を隠した。
少しの嬉しさと照れもあり、口元が緩んでいるのだろう。
ほら、やっぱりわかりやすい。

そう思っていたら

「つーか、いい加減、どっちかの呼び方変えてくんない?」

それに、不覚にも目が丸くなる。
あぁ、そうか。
と、口元に指を持っていき考えてしまった。

「A」

「え?」

知っているが…
意味が理解できず固まってしまう。

「なんだ、私の名前覚えてないかと思った。」

そう言い、子供みたいな顔で笑う彼女は
素直に可愛いと思ったし
周りから愛される理由の一つだと思う。

「Aでいいよ。みんなそうだし。」

双子だからしょうがないよね。
そう笑う彼女が
ほんの少し悲しそうに見えたのをよく覚えている。

「双子とかは関係ないよ。でも、Aって呼びたいから、そう呼ばせてもらうよ。」

アイツらもそうだと思う、と緑間達を指せば
Aは嬉しそうに笑った。

「なんか赤司って、心ん中読めるみたい」

怖っ、なんて笑ってたけど

それは、君がわかりやす過ぎるから…

ってことは言わないでおいてあげた。

俺から見たあの子【◆紫原】→←僕からみた彼女【◆黒子】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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