お風呂あがり【◯中村】 ページ33
「「「「すみませんでした」」」」
「本当最低」
宿題をやる時間になり
3年の部屋に行けば、黄瀬と先輩達が
Aに土下座していた。
ちなみに、竹垣に隙間があるというのは嘘だ。
「いや、でもねAちゃん!元々、中村がね、隙間があるとかどうとか言うから」
森山先輩がわたわた言ってるが
この人は火に油を注ぐという言葉を知らないのか。
「へぇ、その隙間から、覗くつもりだったんですねぇ」
Aは物凄く黒い笑顔をしている。
控えめに言って、鬼。
「ちなみに、隙間なんて最初からありません」
俺がしれっと言うと、4人は顔を引きつらせた。
あぁ、面白い。
「監督に報告します」
「「「「本当にすみませんでした」」」」
それだけは勘弁してくれと必死で頭を下げている。
いやー、笠松先輩と小堀先輩のこの状況はレアすぎる。
その様子をこっそり写真に撮ってやった。
「なぁ、あ(れ)どうしたんだ?」
早川は数学の課題に頭を悩ませながらも
気になるようで、話をふってきた。
「先輩達と黄瀬がAの風呂を覗こうとした」
「「してねぇ(してない)!」」
笠松先輩と小堀先輩が真っ赤な顔で否定する。
黄瀬と森山先輩は本当にしようと思っていたから
否定しなかった。
「最低っすね」
珍しく早川が眉間に皺を寄せて
Aを守るように立ち塞がる。
本当、正義感の塊だな。
笠松先輩も小堀先輩も本当はこっち側なのに。
「でも、早川先輩だってAっちの裸見れるなら、みたいっすよね?!」
おーい、黄瀬
Aの顔、めっちゃ鬼なの気づいてないのか。
「そんなもん、見(れ)(る)な(ら)、見てぇ!!」
おーい、早川、形勢逆転だぞ。
Aめっちゃドン引きしてるから。
「でもな、そ(れ)は合意の上でだ!覗きは犯罪だぞ!!」
当たり前のことを
なに、カッコつけて言ってるんだ。
Aは呆れた顔をしながら
俺の隣に座る。
「中村先輩が変なこと言うからですよ」
どうやら、文句を言いに来たようだ。
「悪いな。でもまぁ、全員、健全な男子高校生ってことだ。気をつけろよ」
そう忠告してるのにAは
頭にハテナをいっぱい浮かべ首を傾げる。
「なんですか、それ」
暫くすると、Aは、暇だ暇だと言いながら
笠松先輩の布団であろう場所でゴロゴロしだした。
笠松先輩は真っ赤な顔で怒っている。
だから、そういうとこを注意したのに。
無邪気にゴロゴロしているAに
可愛いと思いながらも、大きく溜息をついた。
男子部屋トーク【◯/★森山】→←合宿でお風呂トーク【◯黄瀬】
43人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時