僕からみた彼女【◆黒子】 ページ4
同じクラスの目立つ女の子__
僕とは真逆のタイプだと思った。
むしろ、僕は彼女に認知されていなかったと思う。
クラスでも発言権を持った彼女
本人にその気はないが
クラスの中心人物のような感じで
男女ともに人気があった。
そんな彼女の雰囲気が変わったのは
全中で女子バスケットボール部が優勝した辺りから。
「Aー!優勝おめでとー!」
「おー、さんきゅー」
周りからの賞賛の声が全然届いてないようで
なんというか、つまらなさそうだった。
そんな時、青峰くんに出会う。
青峰くんは青峰さんの双子の兄で
見た目は青い髪以外似ていないが
明るく活発で、分け隔てなく人と接するところが
似ていると思った。
「テツ、絶対Aとも仲良くなれるぜ。あ、Aって俺の双子の妹…ん?同じクラスじゃね?」
「はい。同じクラスですよ。喋ったことないですが。」
「まじかよ。」
それに少し引いた青峰くんは
次の日、青峰さんを連れて来たのだった。
それから、僕の発言の何がキッカケかわからないが…
まぁ多分、青峰くんがいたおかげで仲良くなった。
呼び方も、「Aさん」「テツ」にすぐに変わった。
「テツー、1軍なれそうなんだって?」
僕の机の前で子供みたいに笑うAさん。
数ヶ月前までは、こんなこと想像もつかなかった。
「今度の交流戦次第です」
「そっかー、大輝とテツが同じコートでプレイするんだ〜」
「変な感じですよね」
「んーん、なんか楽しそうっ!いいな〜大輝は!」
本当に、
楽しそうで嬉しそうな顔だったんだ。
そんな風に笑う彼女が
友達として大好きだった。
たから、本当はすぐ気付いた。
彼女の笑顔が変わった、その日を。
2年生になったくらいから
つまらなさそうな顔が増えたことも。
青峰くんと同じで
僕には想像もできないような悩みがあるってことも。
わからなさすぎて
その瞬間は、声をかけなかった。
だってまだ、僕達と喋ってるAさんは
笑っていたから__
「テツ、今度1on1しよっか」
「嫌ですよ。僕じゃ相手にならないでしょ」
そっか、と寂しそうに呟いた
Aさんが気になった。
「わかりました。その代わり、手加減して下さい。」
「うん!ボコボコに負かす!」
「話聞いてました?」
その約束が果たされることはなかった。
なんで、あの時
彼女の話をちゃんと聞いてあげなかったんだろう。
だから、それを取り返したくて
僕は今日も、彼女がいる屋上へ足を運ぶのだった。
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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時