相方が気にしているアノ子【◯高尾】 ページ28
緑間が、外から帰ってくると
一緒に連れ出した、可愛い女の子はいなかった。
ちぇー、少し話したかったのに。
そう思っていたら、「帰るぞ」と呼ばれしまう。
すると、どうやらその子に託されたお金が
足りなかったようで、黒子と言い争ってるようだった。
「Aさんに騙されたのは緑間くんです。」
「なんで俺が奴の分を払わなければならない。回収できる黄瀬か黒子が払え」
まぁ、緑間の言ってることは
理にかなっていて妥当。
でも、黒子は良しとしなくて
「ダメです。300円返して欲しいなら、Aさんに連絡すればいいじゃないですか。」
「アイツは絶対、お前以外ブロックしてるのだよ!」
ブフッと吹き出してしまう。
え、なんでそんな自信満々なの。
つーか、自分で言ってんのに、なにちょっと傷ついてるの。
結局、黄瀬くんが
「別に俺払ってもいいっすよ。300円くらい」
とか言うから、緑間のプライドが傷つき
「いい!俺が払う」
と意地になりながら払っていた。
帰り道、リアカーに揺られながら
「全くアイツは!」
とブツブツ文句を言っている。
「Aちゃんだっけ?あの子、可愛いよな」
そう言ってみれば
緑間は心底面倒くさそうな顔をした。
「やめておけ、アイツだけはおすすめしないのだよ」
「なんで?真ちゃんが好きだから?」
なんて揶揄えば、顔を思いっきり顰めた。
「つまらない冗談を言うな。地球がひっくり返るくらい、ありえないのだよ。」
そして、盛大な溜息をつかれる。
「奴は、口が悪くて、欲張りで、頑固で、意地っ張りで」
出るわ出るわ、悪口のオンパレード。
「天邪鬼で、可愛げがなくて、俺を苛つかせる天才だ」
気づいてんのかねー…
そんなふうに言ってるのに、口元が弧を描いてんの。
「わかった、わかった。それでも真ちゃんはAちゃんが好きっていうことねー。おーけーおーけー」
「一体何を聞いていた。その耳は飾りか高尾。」
げんなりした顔を見せるから
まぁ、多分恋愛的なソレじゃないんだろうけど。
いや、どうだろ?無自覚という説もあるのか?
「嫌いなとこはよくわかったけどよー、真ちゃんは、Aちゃんのどこが好きなの?一応お友達なんでしょ?」
そう聞けば、友達ではない!
と緑間は眉間に皺を寄せた。
「まぁ強いていうなら、Aのシュートが好きなのだよ」
へー、緑間にそれ言わせちゃうんだ。
めっちゃ見たい。
「やっぱ、今度、連絡先聞こう」
そう呟いたら、やっぱり怒られたのだった。
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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時