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お好み焼き屋の裏側【◯笠松】 ページ26

誠凛と仲良さそうに入ってきた女は
黄瀬と俺を見て固まった。

「帰ります」

一瞬だけ見えた女の子らしい笑った顔は
べたっと無表情になり、外に出ようとする。

正面に座っていた黄瀬がすかさず立ち上がり
黒子や火神と一緒にその女を無理やり座らせれば
その女はムスッと不貞腐れているようだった。

全く可愛げがない。
まぁ、誠凛との練習試合で会った日から
印象は良くない。

青峰の妹かなにか知らねぇが
帝光出身者はなんでこうも生意気ばかりなのか。

俺は黄瀬の必死な様子に呆れながら
残りのもんじゃを食べていた。

「つーかAっち、なんでそんな誠凛と仲良しなんすか。」

「Aさんは、よく誠凛にあそびにきてますから。」

「えぇ!!??裏切りっすよ!?ねぇ笠松先輩!!」

「うるせぇ。だまれ黄瀬。」

なにやら、黄瀬が泣きついてきたが
黄瀬もうちの監督もなんでこんな女を部に入れたがるのか。

さっぱりわかんねぇ。

暫くすれば、秀徳の緑間と高尾が入ってきて
高尾が俺を引っ張り席を移動することになった。

ニヤニヤ笑いながらカオスな席を見る高尾に
確信犯だと思って告げるが、しらばっくれた。

「そういえば、あの海常の制服着た娘、誰ですか?」

高尾が俺に聞いてくる。
まぁ、同じ高校なので聞かれたのだろうが
俺はあの女を全く知らない。

「青峰の妹らしいぞ。それ以上は知らねぇ」

「あの青峰の妹?!えー、めっちゃ可愛いっすね」

聞き間違えだろうか。

可愛い?

高尾が見ている方を見れば
そいつが、誠凛の監督に抱き着き
甘えているとこだった。

誠凛相手には、ころころ表情を変えている。

まぁ、顔だけ見れば整っているのだろう。

「べつに可愛いくねぇだろ」

「笠松さんのタイプじゃないんすか。あー、マネージャーは対象外とか?」

高尾はなにやら巫山戯たことを言っている。
どうして、そう話が飛躍するのか。

「そもそもマネージャーじゃねぇ。」

それに、驚きの声をあげたと思えば
高尾は青峰の妹を興味津々で観察していた。

「いや、やっぱ可愛いっすよ」

「しつけぇ。可愛くねぇ」

「ほら、黒子と火神に笑ってるし」

高尾が指した方を見れば
笑っているかは置いといて
確かにいつもの表情とは違い柔らかいものだった。

まぁ、黙っていればなんとやらだな。

「アレ?可愛いと思いましたー?」

ニヤリと高尾が笑うから、俺は眉間に皺を寄せる。

「全然思わねぇ」

まさかそれが覆ることになるなんて
この時は全く思っていなかった。

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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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